大阪樟蔭女子大学公式サイト 学長だより 北尾悟

令和2(2020)年度 入学式式辞

 本日晴れて大阪樟蔭女子大学大学院ならびに大阪樟蔭女子大学に入学された新入生の皆さま、ご入学おめでとうございます。桜の花が満開に向かう中、すべての教職員とともに、皆さまの入学を心から歓迎いたします。
 そして、皆さまを今日まで育て、勉学を支えてこられたご家族をはじめ関係の方々にも、心よりお慶びを申し上げます。

 新入生の皆さまが入学された大阪樟蔭女子大学の運営母体である学校法人樟蔭学園は、1917年、大正6年に設立された樟蔭高等女学校がその歴史の始まりです。創立以来100年を超えた歩みを刻んでいます。また、大学も昨年、創立70周年という節目の年でした。次の時代に向けて皆さまと共に、これからの新しい樟蔭物語を作っていきたいと思います。

 昨年11月に大学創立70周年記念フォーラムを開催しました。そのフォーラムのタイトルは、「今、なぜ『美』の感性・意識が求められるのか?~私の"樟蔭美"がこれからの時代を生きる軸になる~」でした。ここで示した"樟蔭美"とはどういうものなのでしょうか?

 樟蔭学園では、創立者・森平蔵の思いである建学の精神、「高い知性と豊かな情操を兼ね備えた社会に貢献する女性の育成を目指す」が、100年経った今でも色褪せることなく受け継がれています。この間、10万人を超える卒業生を社会に輩出し、様々な分野で活躍されている方が多くおられます。時代が移りかわり、今後AIをはじめ先端技術が高度化し、社会のあり様が大きく変化しようとも、樟蔭で培ってきた精神は、これからも自信をもって評価されるべきものだろうと思います。

 実際、記念フォーラムのパネルセッションでは、在学生、卒業生が参加し、自分の夢・目標をしっかりと表現してくれました。在学生は現在、興味があり取り組んでいること、樟蔭での学び、そして将来に向けた抱負について、自分軸を定め前向きな気持ちで学生生活を送っている様子を楽しそうに話してくれました。また卒業生は、樟蔭で学んだこと、人とのつながり、これらが現在の仕事にも繋がっていることを在学生へ伝えてくれました。皆、日常生活を送るうえでの判断基準、ものさしを持ち、考え方、価値観を身に付けていることを示してくれました。まさしくこれが"樟蔭美"であると実感しました。フォーラムでは"私たちの樟蔭美"というテーマに沿ったポスターセッションも行い、すべての学科の学生が、各々、様々な場面で活動している様子を発表してくれました。すごく頼もしく感じ、嬉しい気持ちになりました。

 これからの世の中、皆さまが社会で活躍する次の時代は、今よりもっとよくなってほしいと願っています。先ほど述べたAIをはじめ多くの分野で科学技術が進展、高度化していき、生活はどんどん便利になっていくでしょう。

 便利になることは良いことではありますが、その便利さに甘えてしまうと、身体は元より物事に対する考え方、感受性が退化してしまう恐れがあると私は思います。例えば、皆、携帯電話、スマートフォンを持っていますよね。いろいろな情報を瞬時に手に入れることができ、大変便利です。でもいつでもどこでもアクセスできるので、何か分からない時には安直に答えを求めようとしていませんか?深く物事を考えるよりも、直ぐに正解を求める風潮になってきているのでは、と危惧しています。深い考察なしに結果だけを求めると、もし何か問題が生じた場合に必要とされる解決能力が減退していくでしょう。今後、益々、価値観が多様化し正解のない問いがあふれる世の中になると予想する人もいます。となるとフォーラムに参加した在学生や卒業生のように、誰かの意見に流されず、自分らしい生き方の軸を持つ必要があります。

かの偉大なファッションデザイナー、ココ・シャネルはこう言っています。

「美しさは、あなたがあなたらしくいると決めた時に始まる」

大阪樟蔭女子大学は、2030年に向けたグランドデザインを提示しました。そのスローガンは、「美(知性・情操・品性)を通して社会に貢献する~美 Beautiful 2030~」です。ここでいう「美」とは単に外見上のものではなく、むしろ内面から醸し出される美しさであり、教養があり立ち居振る舞いに品がある洗練された「樟蔭美」を意図しています。フォーラムに参加した先輩たちのように自分軸を持ち、知性・情操・品性に裏打ちされた芯のある人に成長していくよう、これからの樟蔭での学生生活を送ってもらいたいと思います。皆さまが成長できるよう、私たち教職員一同、様々なプログラムを準備しサポートの充実を図っていきます。

 コロナウイルス感染拡大の中、様々な情報が飛び交い、行動様式をはじめ「人間力」が問われています。これまで培ってきた樟蔭美をさらに磨きをかけ、新しい時代に即した教育展開を図っていく必要があると感じています。新入生の皆さまには、私たちの思いを受けとめ、対応してもらいと思います。そこで、外出や人の集まりが制限されることもあり、一つお願いしたいことがあります。

 それは「読書」です。本を読むことによって自分が知らないことを吸収してください。文章を追うことにより、様々な人に出会い、様々な場所を旅し、様々な考えを知ることができます。知らない言葉や表現に触れ、コミュニケーション能力も身につくことにもなります。「読書」を通して、価値観や世界観が養われ、自分軸を作ることに繋がっていくと思います。

 自分軸を作るということは、あなたらしくということです。

「美しさは、あなたがあなたらしくいると決めた時に始まる」

 新入生の皆さまが、「読書」を通して自分軸の形づくりを開始し、通常生活に戻ったときに、樟蔭美、「美 Beautiful」な充実した学生生活を送ることを願って、私の式辞の結びといたします。

 皆さま、ご入学、まことにおめでとうございます。

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令和2年4月1日    
大阪樟蔭女子大学 学長
北尾 悟       

令和元(2019)年度 学位授与式 式辞

 令和元年度の学位授与式を挙行するにあたり、大阪樟蔭女子大学の教職員を代表して大学院修了生ならびに学部卒業生の皆さまにお祝いの言葉を述べさせていただきます。学位授与、まことにおめでとうございます。めでたくこの日を迎えられた皆さまを心からお祝いいたします。そして、皆さまの学生生活を陰ひなたになって支えてこられたご家族をはじめ関係の皆さまと喜びを分かち合いたいと思います。

 本来ならこの日は、令和最初の学位授与式として、ご家族の皆さまをはじめ教職員や来賓の方々など大勢が見守るなか、学位記を手渡し祝福したかったところです。ただ新型コロナウイルスの感染終息の見通しが立たない状況で、皆さまとお集まりになる多くの方々の健康を守り感染拡大のリスクを少しでも抑える観点から、100年会館において一堂に会して式典を行うことは難しいと判断しました。人生における1つの区切りである晴れの舞台を提供できず、まことに申し訳ございませんでした。

 今、世界中を席捲(せっけん)する勢いのコロナウイルスをはじめウイルスは、単独では増殖できません。子孫を残すには他の生き物の細胞に居候して、その生き物の力をうまく利用して生きています。生き物、つまり生物なのかそうでない無生物なのか、専門家でも意見が分かれるくらい巧妙な方法で地球上に生存しています。コロナウイルスの場合、くしゃみや咳など飛沫から主に呼吸器系の細胞にとりつき増殖すると言われていますので、とにかく大人数が密集する状況を避ける必要があります。

 人が集まることに注意を払わなければならないので、多くのイベントが中止となりました。となると心理的に人と会うことを自粛するムードとなり、コミュニケーションがとりづらくなることが懸念されます。コロナウイルス感染拡大が起こらずこれまで通りに世の中が流れたとしても、最近の風潮としてコミュニケーションがうまくとれず様々な問題が生じています。自粛ムードとなれば益々、コミュニケーション能力が問われるのではないでしょうか?いくらネット環境が良くなったとはいえ、他者と直接会って話す機会が少なくなることでコミュニケーションがとりづらくなり、社会生活の様々な場面に影響を及ぼすことは必至だと思われます。

 私はこれまで入学式や学位授与式での式辞、あるいは大学ホームページの学長だよりにおいて、コミュニケーション能力の重要性を述べてきました。4年前の入学式においても「自分」以外の人達とのコミュニケーションを図るためにも、まず「自分」とはどういう人間なのか、つまり「自分自身」を知るよう、学生時代に絶えず悩みながら考えてください、と伝えました。どうでしょうか?「自分自身」がわかりましたか?

 おそらくほとんどの人は答えが見つからないでいるでしょう。告白しますが、私自身も自分がどういう人間なのか、まだはっきりとわかっていません。一生、悩み考え続けるテーマだと思います。

 コミュニケーションを図ることに関しては、経験を重ねていくにつれて私なりにこう考えている、こういうふうに対応していると、皆さんへ伝えることが増えてきました。その1つに「相手の良い面を認める」ことが挙げられます。どんなにコミュニケーションが取りづらい人でも、どこかに良い面が必ずあります。相手のことを100%すべて良く見ようとしなくて構いません。ただ、自分より良い面、優れている面が、何かしらどんな人でも必ずあるはずです。それを見つけ理解し付き合っていくうちに、コミュニケーションが徐々に図られていくと思います。ほんの一部でも良いからお互いを認め合い、リスペクトすることがコミュニケーション能力向上の秘訣だと思います。

 また、不要不急の集まりを控えるようにとの要請も出ている状況を逆手に取り、じっくり本を読む、読書にいそしんでみてはいかがでしょうか?コミュニケーション能力を高めるには、実際に他者に会い他者を知る、そしていろいろな知識を得て、自分を知り価値観を築いていくことが通常考えられますが、本を読むことによって、様々な人に出会い、様々な場所を旅し、様々な考え方を知ることができます。そしてボキャブラリー、語彙の力も養われます。手っ取り早くコミュニケーション能力の基礎の基礎を学ぶことができ、自分自身を知るきっかけにもなり、価値観が養われ世界観も広がるはずです。

 かのマイケル・ジャクソンも言っています。「僕は読書が大好きだ。もっと多くの人に本を読むようにアドバイスしたい。本の中には全く新しい世界が広がっているんだよ。旅行に行く余裕がなくても、本を読めば心の中で旅をすることが出来るんだ。」と。

 昨年、大阪樟蔭女子大学は創立以来70年という歴史を刻みました。樟蔭学園も1世紀を超えた歩みを進めています。歴史と伝統を重んじながら、大学では、2030年に向けたグランドデザインを提示し、「美(知性・情操・品性)を通して社会に貢献する~美 Beautiful 2030~」をスローガンに掲げました。ここで言う「美」「美しい」とは外見のみならず、むしろ内面の美しさを意図しています。その内面の美しさを通して社会で活躍する人を育てることが大阪樟蔭女子大学の使命だと考えています。

 地球規模でのコロナウイルス感染拡大という閉塞感が漂うなか、また将来予測困難な時代が到来すると言われている昨今、より一層、自分の物差し・羅針盤を基に価値観を磨き続け、クスノキのように内なる輝きを発する人を育てることが求められます。1人でも多くの修了生・卒業生が社会で活躍できるよう、これからも社会に認められ存在感のある大学へと発展するよう努めてまいります。

 今年は暖冬でもうしばらくすると桜が早や開花すると予想されています。皆さまも「内面の美」を磨き続け、自分の希望の花を咲かせてください。

 「相手の良い面を認め、コミュニケーション能力を高める意識を持ち続ける」、そしてコミュニケーション能力を高める基本の基本として「本を読む」、ということを皆さまへの「はなむけ」とします。そして「美 Beautiful」な人生を歩まれることを心より祈念し、式辞の結びといたします。

 皆さま、改めて学位授与、まことにおめでとうございます。

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令和2年3月14日

大阪樟蔭女子大学 学長 北尾 悟

現状を変えるには

 令和最初の新年、早くもひと月が過ぎようとしています。
「令和」~Beautiful Harmony~。明日への希望とともに、ひとりひとりが大きな花を咲かせる、まさしく「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つ」一年にしたいものです。

 さて一年のはじめには多くの人が今年の目標、今年はこういう年にしよう!と気持ちを新たにしていることと思います。これまでの反省を踏まえて変わろうとする気持ちを持つ人も多いでしょう。でもなかなか現状から人間は変わることができないものです。では、どうしたら変わることができるようになるのでしょうか?

 経営コンサルタントの大前研一さんの言葉がある新聞に紹介されていました。それによると、人間が変わる方法は3つしかない、とのこと。一つ目は時間配分を変えること。二つ目は住む場所を変えること。そして、三つ目は付き合う人を変えること、だそうです。

 紹介された逆の順で考えてみました。まず「付き合う人を変える」というのは、確かにそうでしょう。人は多くの人たちとの人間関係の中で生活しています。強固な信念の持ち主でない限り、周りの人たちの影響により生活様式や考え方が左右されます。当然、付き合う人を変えると自分が変わる可能性は高いでしょう。でも現実、なかなか難しいと思います。現在の人間関係を断ち切って新しい人やグループと関係を持って付き合うことは簡単なことではないと思います。少し距離を置くことはできても、特に付き合いが深い友人や職場などのグループから影響を受けず、自分が変わることが出来るほど関係を浅くすることは至難の業でしょう。
 次に「住む場所を変える」はどうでしょうか?新たな環境により気分転換になり、心の切り替えや新たなスイッチが入り自分が変わるきっかけになるでしょう。しかし、ある程度のお金と時間が必要です。引っ越しとなるとそう簡単にいかない人が多いでしょう。
 では残る一つ「時間配分を変える」はどうでしょうか?大前氏も「どれかひとつだけ選ぶとしたら、時間配分を変えることが最も効果的」としています。これだといろいろな条件や周りの環境に左右されず、自分ひとりで変わることができると思われます。

 私自身も状況に流されている、マンネリに陥っているという気持ちが昨年からだんだん強くなってきて、自分自身を変えたいと少し焦っていました。そこで元旦から「変えた」ことがあります。それは非常に単純なことで、「0時前に寝る、そして6時に起きる」ということです。以前は、だらだら真夜中0時を回って1時2時になってもグダグダいろいろなこと(雑誌を読んだり、スマホをいじっていたり)をしていましたが、どんなことがあっても日付が変わる前にベッドに入ることにしました。そしてどんなに眠くても目覚ましをセットして朝6時に起きる、と生活リズムを変えることとしました。生活リズムを変えることも「時間配分」になりますよね。これは、休日前や休日でも同じです。
 まだ人に言えるほどの効果は実感できませんが、少なくともこの1ヶ月弱、例年この時期には風邪気味になったり気持ちが散漫になる日があったりするのですが、今のところ、そういう状況にはなっていません。生活のリズムができたので身体のリズム感が出てきたのかもしれませんし、気持ちが前向きになったような気がします。「時間配分を変える」ことは、勉強や仕事のやり方や順序などを変えることと捉え実行することが難しい、と感じる人もいるかもしれません。もちろん、これらのことは非常に大事なことですし、変えることで大きく前進することにつながるでしょう。でもこれらも周りの環境などにより障壁があり実現が困難なこともあるでしょう。20200128.jpgでも「生活リズム」を変えることであれば、周りに関係なく自分一人で変えることが可能です。いかがでしょうか?まずは簡単にできることから始めてみてはいかがでしょうか?

 朝6時に起きるのは、我が家の愛犬が起こしにくることが大いに助けになっていることを正直に告白します。6時間は寝ないと一緒に朝の散歩はきついので、0時には寝るということになっているのです・・・

北尾 悟

大学創立70周年記念フォーラムを終えて   ~伝えたい樟蔭の学び~

 11月17日(日)、大阪樟蔭女子大学創立70周年記念フォーラム「今、なぜ「美」の感性・意識が求められるのか?」~私の"樟蔭美"がこれからの生きる軸になる~を開催いたしました。当日、小春日和の穏やかな日曜にも関わらず、遠方からの方を含め多数のご参加に感謝しています。

 このフォーラムは、リアルな学生および卒業生の姿を通して、歴史と伝統に裏付けされた「大阪樟蔭女子大学の学び」に共感していただくことを目的としました。その歴史と伝統とは「建学の精神」を礎とし100年続いて培われてきた有形無形のものです。具体的にどういうもの?ということを説明することは難しいのですが、そのヒントを今回のフォーラムでは示せたと感じます。

 特に、パネルならびにポスターセッションに参加してくださった在校生および卒業生が素晴らしかった!各々が樟蔭入学前の状況や心境に始まり、在学中での取組み、そして卒業生は現在の取組みなどを話してくれました。もちろん、これまでに多くの悩みや葛藤があったと思います。でもそれらを克服するため、いろいろと考え自分なりの答えを見つけ前向きに行動している様子に感動しました。また、こういう考えや行動を可能にする環境が樟蔭にある、と皆言っていたのもうれしく感じました。
 将来、悩み、苦労することもあろうかと思いますが、周りに惑わされるのではなく自分の楽しいことをする、失敗してもその失敗から学べば良いという姿勢があるので、どんな困難も打ち克ってくれるはずです。今後、エールを送り続けたいと思います。

 本学の客員教授の白井文先生には「私らしく、美しく」というテーマで、特別講演をお願いしました。ご自身のプロフィール、これまでの歩みを赤裸々?に語っていただき、「人の縁」を大切にし「人の扉」から成長をしていく、若い人たちに生きる上での考え方のヒントや他者との関わりの大切さを示していただきました。
 また、SDGs(持続可能な"開発"目標⇒白井先生曰く"発展"目標)を分かりやすく説明していただき、どのゴールも「女性の課題」であると示されました。こういう現状を理解した上で、様々な取組みがされていることを認識させられました。
 そして、「私らしく、美しく」というのは、実は樟蔭ではこれまでの先人達が具現化しているのですよ、ということで、「えをとめ ものかたり」注)から田辺聖子さんをはじめ樟蔭の卒業生、関係者の紹介をしていただきました。まさしくこれが樟蔭の紡いできた「歴史と伝統」なのだと思います。


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 冒頭、私が開会の挨拶を兼ねて基調講演をさせていただきました。そこでは、これからは人生100年時代、人生モデルがこれまでとは違いマルチステージとなる、そしてAI(人工知能)、ビックデータやロボテックス等先端技術が高度化して、あらゆる産業や社会生活に取り入れられ、社会の在り方そのものが大きく変化する時代が来ると予想されていることにまず触れました。シンギュラリティという言葉も示しましたが、こういう時代になるからこそ、これまで樟蔭で培った教育、特に無意識に100年紡ぎ続いている「美」の感性・価値観が必要となってくるのでは、と話しました。現在、大学ではグランドデザイン「美 Beautiful 2030~美を通して社会に貢献する~」のスローガンのもと、6つのビジョンを掲げ具体的な施策を展開しています。また樟蔭学園全体でもブランドコア「樟蔭美」の検討を進めています。

 グランドデザインの6つのビジョン実現は何も難しいことではないと思っています。今回のフォーラムのパネルならびにポスターセッションに登場した在校生や卒業生は現在の「えをとめ」です。胸を張って前向きに行動していると言える学生は確かに少ないかもしれませんが、生き生きとキャンパスライフを送っている学生が少なからずいるのです。そういう学生を一人でも多く育て、卒業後、色々な場面で社会の要として活動、活躍できるよう、サポートをしていきたいと思います。現在の「えをとめ」を育てるのが、大阪樟蔭女子大学の使命だと考えています。こういう環境づくりを行うには、様々な「学び」を充実させる必要があります。そのためにグランドデザインの6つのビジョンの具体化を進めていかねばなりません。
 今回のフォーラムを通して、在校生や卒業生からパワーを頂戴しました。そのパワーを活かしていきます。小さなところから周りに働きかけ、少しずつ大きな波、うねりにしていきます。

これからの樟蔭の学びに皆さんもエールを送ってください。

注)「えをとめ」:日本神話の「国生み」に登場する伊邪那美(いざなみ)のこと。美しい女性を表わした最初の言葉。

北尾 悟

未来のヒトの姿

 7月のヤフーニュースに未来(2100年)のヒトの姿が3Dイメージとともに公開されました。

 現代社会においてスマートフォン(スマホ)やパソコン(PC)の操作時間が増えることに対して懸念する記事、コメントを目にすることがあります。周りを見渡しても、長時間に渡りPCの前に座り、普段から常にスマホを肌身離さずにいる人が多いのが現状です。
 そういう生活を続けていけば、今回提示の3Dイメージは何となく現実味を覚える気がします。PCやスマホを使い続けた結果、全体的に不自然な前屈みの姿勢になると予想しています。人間の身体はある一定の姿勢を保とうとすると、その際に生じるダメージをどこか違う部分で補おうとします。前屈みの姿勢を維持しバランスを保とうとした結果、首の筋肉に負担をかけることになり、やがて筋肉疲労を起こし痛みを生じるようになるそうです。
 また、手も絶えずスマホを握っているためか内側に固定され、肘も直角に曲がったままになる姿が示されています。スマホの持ち方は"直角の肘"、いわゆる肘部管症候群を引き起こす、と指摘する専門家もいます。指がチクチクし、しびれ感や痛み、そして脱力感を覚えるようになるそうです。
 さらに、議論が分かれるところではありますが、スマホから放射される電波が、癌の発症、記憶力低下、あるいは無線周波数から脳脱を守るために頭蓋骨が肥厚するという指摘もあります。また、座りがちな生活習慣が脳の働きを低下させ、その結果、脳が縮小するということも言われています。
 これら様々な条件などを基にして今回提示された3Dイメージがつくられたことになります。これらの条件はすべて裏付けのある科学的なデータに基づいているものではありませんし、いろいろと違う説もあるようです。不安がる気持ちを持つ人もいるでしょうが、現在の人間社会に対する警鐘と捉えておけば良いと思います。

 生物の進化はゆっくりで、単細胞から多細胞生物に至るまでは約25億年、魚類・爬虫類から哺乳類までは十数億年かかっています。その後、数億年を経て哺乳類から人類へ変化しました。2100年までたかだか80年で、現在の姿から今回提示の3Dイメージのような変貌を遂げるとは考えにくいと思います。また、スマホなど情報端末の姿も今後変わることも予想され、新たな端末による身体への影響も考えねばならなくなるかもしれません。どのような社会、どのような人間の姿になっているのか、正直予想しづらいと思われます。

 物質的な観点から生物の進化を捉えると、遺伝子、つまりDNA構造と発現様式(どのように遺伝子が働くのか)の変化を意味しています。哺乳類の中でもサルからヒトへの変化(進化と言えるか最近疑問に思っているので変化とします)には、もちろん遺伝子の変化が事実としてありますが、それ以上にヒトとして他の哺乳類と大きく違う途を歩み、表向き地球を支配しているゆえんは、「言葉」を持ったからだと考えられます。ヒトは絶えず成長したいという願望が強い生物だと言われています。その願望を満たすためには話すこと、そして聞くことのコミュニケーションが欠かせません。話さない、聞かないではヒトは成長しません。
 このコミュニケーション能力を高めるには脳の活性化が必須です。活性化するには脳に多くの血液を流すことが求められます。話したり、聞いたり、見たりするヒトの動作には脳の働きが重要であり、そのためには栄養素や生理活性物質を含む血液の流れが必要とされます。血液の流れを良くするには、心臓ポンプの強化はもちろんのこと、最近注目されている足のふくらはぎも大事だと言われています。足のふくらはぎは「第2の心臓」とも呼ばれています。20190425hanamizuki.jpg

 この原稿を仕上げるのにPCの前で前屈みになっているご主人をわが愛犬は心配げに見上げています。PC操作で前屈みになり凝り固まった脳の働きを低下させないように、その肉球でふくらはぎを踏んでマッサージしてくれないかなあ・・・・

北尾 悟

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