大阪樟蔭女子大学公式サイト 学長だより 北尾悟

未来のヒトの姿

 7月のヤフーニュースに未来(2100年)のヒトの姿が3Dイメージとともに公開されました。

 現代社会においてスマートフォン(スマホ)やパソコン(PC)の操作時間が増えることに対して懸念する記事、コメントを目にすることがあります。周りを見渡しても、長時間に渡りPCの前に座り、普段から常にスマホを肌身離さずにいる人が多いのが現状です。
 そういう生活を続けていけば、今回提示の3Dイメージは何となく現実味を覚える気がします。PCやスマホを使い続けた結果、全体的に不自然な前屈みの姿勢になると予想しています。人間の身体はある一定の姿勢を保とうとすると、その際に生じるダメージをどこか違う部分で補おうとします。前屈みの姿勢を維持しバランスを保とうとした結果、首の筋肉に負担をかけることになり、やがて筋肉疲労を起こし痛みを生じるようになるそうです。
 また、手も絶えずスマホを握っているためか内側に固定され、肘も直角に曲がったままになる姿が示されています。スマホの持ち方は"直角の肘"、いわゆる肘部管症候群を引き起こす、と指摘する専門家もいます。指がチクチクし、しびれ感や痛み、そして脱力感を覚えるようになるそうです。
 さらに、議論が分かれるところではありますが、スマホから放射される電波が、癌の発症、記憶力低下、あるいは無線周波数から脳脱を守るために頭蓋骨が肥厚するという指摘もあります。また、座りがちな生活習慣が脳の働きを低下させ、その結果、脳が縮小するということも言われています。
 これら様々な条件などを基にして今回提示された3Dイメージがつくられたことになります。これらの条件はすべて裏付けのある科学的なデータに基づいているものではありませんし、いろいろと違う説もあるようです。不安がる気持ちを持つ人もいるでしょうが、現在の人間社会に対する警鐘と捉えておけば良いと思います。

 生物の進化はゆっくりで、単細胞から多細胞生物に至るまでは約25億年、魚類・爬虫類から哺乳類までは十数億年かかっています。その後、数億年を経て哺乳類から人類へ変化しました。2100年までたかだか80年で、現在の姿から今回提示の3Dイメージのような変貌を遂げるとは考えにくいと思います。また、スマホなど情報端末の姿も今後変わることも予想され、新たな端末による身体への影響も考えねばならなくなるかもしれません。どのような社会、どのような人間の姿になっているのか、正直予想しづらいと思われます。

 物質的な観点から生物の進化を捉えると、遺伝子、つまりDNA構造と発現様式(どのように遺伝子が働くのか)の変化を意味しています。哺乳類の中でもサルからヒトへの変化(進化と言えるか最近疑問に思っているので変化とします)には、もちろん遺伝子の変化が事実としてありますが、それ以上にヒトとして他の哺乳類と大きく違う途を歩み、表向き地球を支配しているゆえんは、「言葉」を持ったからだと考えられます。ヒトは絶えず成長したいという願望が強い生物だと言われています。その願望を満たすためには話すこと、そして聞くことのコミュニケーションが欠かせません。話さない、聞かないではヒトは成長しません。
 このコミュニケーション能力を高めるには脳の活性化が必須です。活性化するには脳に多くの血液を流すことが求められます。話したり、聞いたり、見たりするヒトの動作には脳の働きが重要であり、そのためには栄養素や生理活性物質を含む血液の流れが必要とされます。血液の流れを良くするには、心臓ポンプの強化はもちろんのこと、最近注目されている足のふくらはぎも大事だと言われています。足のふくらはぎは「第2の心臓」とも呼ばれています。20190425hanamizuki.jpg

 この原稿を仕上げるのにPCの前で前屈みになっているご主人をわが愛犬は心配げに見上げています。PC操作で前屈みになり凝り固まった脳の働きを低下させないように、その肉球でふくらはぎを踏んでマッサージしてくれないかなあ・・・・

北尾 悟

謙虚な気持ちが多様性の寛容につながる

 平成から令和の時代となり早3ヶ月以上過ぎました。新しい時代の息吹を感じ、皆さんが生き生きと前向きに行動できる世の中にしたいものです。

 昨年、訪日外国人数は3,000万人を超えました。特に、関西の伸びが顕著です。6月には大阪でG20が開催され、2025年の万博に向けて国際都市の印象が深まったと思われます。また外国人に限らず、異なる考え方、価値観や感性をもつ人たちが増えてきています。これまでの画一的な見方、捉え方と違う面を大事にする社会となってきました。 Sexual Orientation Gender Identity (SOGI)もその一例です。これからの社会、将来において、多様性がキーワードになると多くの人が言っています。そのような社会に対応するには、自分自身が持っているものとは違う異質を受け入れる「受容力」が重要になってくるのではないでしょうか?

 今後、自分とは違う考え方をする人々と仕事をしていくことが増えてくるでしょう。異質な人々が同じ職場にいる状況で生産的な仕事をしていくには、まず相手のことを知る努力が必要です。それまで個人々々が生きてきた背景が違うので、考え方が違うのは当たり前だと思うことが自然だと思います。そういう気持ちがなければ相手に対して配慮が足りなくなります。自分本位になり他人のことは文字通り他人事になるでしょう。場合によっては喧嘩にまで発展してしまう恐れもあります。

 喧嘩にまでとはちょっと飛躍しすぎかもしれませんが、このような状況にならないためには、異質を感じ取る「感受力」が求められます。自分と違う立場の人と真摯に向き合い、相手を「感じ取ろう」とする態度やそれを引き出す会話が必要です。これが多様性に満ちた世の中を生き抜くポイントだと思いますし、結果として人間関係を良くしていくことに繋がります。真摯に向き合うには、まず自分と相手は違うということを改めて認識し、相手をリスペクトすることが必要だと思います。これまで学長室だよりで記しましたが、どんな人でも必ず自分より優れていることがあるので、それを見つけリスペクトして対話することが望まれると思います。

 ただ自分が相手を知ろうと向き合っても、相手が自分のことを理解してもらえないこともあるでしょう。このような場合、相手の能力の問題、つまり相手が悪いのではなく、自分自身の態度や説明が不十分なのでは、という謙虚な姿勢が大事になるではないでしょうか。新渡戸稲造の言葉に「人を愛して愛の反響なきは己の愛の足らぬを証拠と知るべし」があります。他人のせいにするのではなく、まずは自分自身に問題がないのか、自分自身に問うことが求められるということです。

 先日、東京のある学園の理事長、学長を兼ねてらっしゃる方と懇親の場で話す機会がありました。その中で組織のリーダー、フォロワーを問わず一緒に仕事をしたい人とはどういう人かという話になりました。その理事長曰く「自分と異なる意見を持つ人を受け入れる人」「学び続ける人」「周囲の人を大切にする人」の3つを挙げられました。今まで以上に多様性に対応せねばならない世の中になります。その中で仕事を含めて生活していくには、このような心持ちを持っていくことが大切だと感じた次第です。

20190819aiken.jpg 謙虚な気持ちで自問自答しながら周囲の人々と生活をしていく。そう、うちの愛犬は散歩に行きたくてはやる気持ちを抑え、身体が硬い主人がストレッチを終えるまで玄関でじっと待っています。相手を受け入れ、ちゃんと学び、そして周囲の人を大切にしています。

 うーん、それに比べて私は・・・・

北尾 悟

田辺聖子さんを偲ぶ

 6月6日(木)に田辺聖子さんが亡くなられたというニュースが、10日(月)の昼過ぎに飛び込んできました。本学の前身である樟蔭女子専門学校の国文科の卒業生であり、皆さんご存知のように、芥川賞作家であり数々の作品を世に送り出した偉大な方です。男女の機微を独特の感性で表した恋愛小説やユーモアにあふれるエッセーで人気を集めました。芥川賞以外にも多くの文学賞を受賞され、2008年には文化勲章を受章されました。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。

 田辺聖子さんにはこれまで大阪樟蔭女子大学に多大なるご理解とご協力をいただいています。中でも、樟蔭学園の創立90周年を記念して大学図書館内に「田辺聖子文学館」を2007年に開設した際には、400冊以上の著書やコレクションを送られ、書斎の再現コーナーも設けることにも積極的に関わっていただきました。現在、7月8日までの期間、「ミニ企画展『田辺聖子の樟蔭時代』」を開催しています。多くの方に足を運んでいただければと思います。
 2008年には青少年の読書・文化活動の発展・向上に寄与することを目的に「田辺聖子文学館ジュニア文学賞」が始まり、中学生・高校生の応募総数も延べ18万を超える文学賞へと発展しています。今年度も第12回目の文学賞への応募が始まっています。数多くの若くてみずみずしい感性豊かな作品が集まることを期待しています。

 実は、9日(日)に私は駅前の書店で田辺聖子さんの「私の大阪八景」(2018年度大阪ほんま本大賞特別賞受賞作)を買って読んでいました。この作品は、昭和初期から戦時中を経て戦後の頃までの大阪市内北部を舞台に、たくましく育っていく少女の物語です。フィクションの形をしていますが、田辺聖子さんの自伝といっていいでしょう。その中で「その三 神々のしっぽ〈馬場町・教育塔〉」には、友人と(樟蔭女子)専門学校に願書をもっていった、という記載があります。また「その四 われら御楯〈鶴橋の闇市〉」では、戦時中の樟蔭での学生生活(ほとんど軍需工場で働くことを余儀なくされた)や大阪大空襲の際には樟蔭から歩いて福島の実家である写真館までたどりついた様子や実家が跡形もなく戦火に消えたことも記されています。
 あの戦中戦後の時代を少女の目線で市中の人々の営みも交えて表されており、田辺聖子さんの他の作品とは一風違った感じがします。昭和49年に初版が発行され昨年改版再版されていることも併せて、興味深い作品だと思います。

 この本の解説は、交流が深かった小松左京氏(先に鬼籍に入られましたが)が書かれています。その中で田辺聖子さんの作品に引き付けられた理由として「文章の何とも言えない明るさと、ヒロインのかわいらしさ」と記しています。月並みだけど「文は人なり」とも。書く人の人柄や姿勢というものが文章に遺憾なくあらわされているとのこと。
 改めて、田辺聖子さんのご冥福をお祈りいたします。天国で「かもかのおっちゃん」達と賑やかにお酒とお喋りを楽しんでください。

北尾 悟

想像・発想する意識を持とう!

 いつの間にか葉桜の時期となり、ハナミズキの花が咲き誇るようになってきました。4月に入学された新入生もキャンパスライフに慣れてきたところでしょうか?来週から大学の暦では8連休となりますが、気持ちをリフレッシュして5月以降、自分の希望の花を咲かせることができるよう、自分自身を少しでも高める生活を送ってもらいたいものです。

 今年2月、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「はやぶさ2」が、地球から約3億キロメートル離れた小惑星「りゅうぐう」の半径わずか3メートルの場所に見事着陸に成功しました。また、地表に弾丸を打ち込んだ信号も確認したというニュースも飛び込んできました。弾丸を打ち込んだ目的は、衝撃により生命の元となる有機物や水分を含む岩石を採取し解析することにより、地球の成り立ち、そして、地球の生命はどこからきたのか、という人類の根源的な問いに答えを見つけようとするものです。

 高度な技術を駆使して繊細な作業を行うことに対して、当初、JAXAでは自動制御システムを通して、探査機自身が自律的に判断し態勢を整えていくことを考えていました。3億キロメートル離れたところから半径3メートルの着陸しやすい平地を探し、弾丸を打ち込み発生した衝撃散乱物を回収するミッションを達成するには、当然のことながら、AIならびにロボット技術を用いシステム自らを制御することを前提とした自動作業を行う計画だったそうです。
 ところが、途中から「人」が探査機の姿勢までこと細かく定める方法に変えたそうです。舞台裏の詳細は分かりませんが、やはり「人」の能力の方を選択したということになります。細かい角度や距離感、そして何より想定外の事象に出くわした際の対処方法など、いくらAI技術やロボット工学が進展しても、現時点では「人」の方が優れているとJAXAの「人」たちは判断しました。
 このことは、今後、AIロボットをはじめ自動化システムを導入の際には、人の「想像力」ならびに「発想力」が試されることを意味していると思います。想定外の事象、例えば危ない動作を始めたら、その動作を安全に止める工夫が必要です。こうした工夫や想像に思いを巡らすことが大事です。現時点ではAIロボットより「人」の方が優れているということです。いや、現時点ではなくこれからも「人」が優位ではならないことを示唆していると思います。人にはより論理的な思考が求められ、深く考えることの大切さを示していると感じます。あくまで、「人」が『主』で、「機械」が『従』であることを維持していくためには、人自身もさらに想像力を鍛え、新たな発想力も高めていかねばならないということです。

 では、「想像力」「発想力」をどう身に付けていけば良いのか?1つ例示してみたいと思います。それは、ブレーンストーミングの考案者であるアレックス・F・オズボーン氏が作成したチェックリスト型発想法です。

1.転用(put to other uses):何かに置き換えてみたら?他の方法はないか?

2.応用(adapt):別の仕組みを応用/適用してみたら?他からのアイデアは?

3.変更(modify):変形/修正してみたら?

4.拡大(magnify):足し算や拡げてみたら?

5.縮小(minify):引き算や排除してみたら?

6.代用(substitute):ほかのものを代用してみたら?

7.置換(rearrange):再調整してみたら?入れ替えてみたら?

8.逆転(reverse):反対からみたら?逆にしてみたら?

9.結合(combine):組み合わせてみたら?

 こういう質問を自身に投げかけることで想像力、発想力を高め、新しいアイデアが生まれるよう意識づけていくのはいかがでしょうか?もちろん、行動を伴うことが求められますが、まずは意識をすることから始めてみませんか?

20190425hanamizuki.jpg ハナミズキの花言葉の1つに「逆境にも耐える愛」があるそうです。遠い宇宙空間で様々な困難に懸命に立ち向かう「はやぶさ2」にJAXAをはじめ多くの人たちが愛情を持って見守っています。ミッションを遂行し、2020年末に無事地球に戻ってくることを願って、夜空を眺めてみたいと思います。一青窈さんの「ハナミズキ」を口ずさみながら。。。『君と好きな人が百年続きますように』 ~「永続性」もハナミズキの花言葉です~

北尾 悟

平成31(2019)年度 入学式式辞

20190401kitao_gakucho.jpg 本日晴れて大阪樟蔭女子大学大学院ならびに大学に入学された新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。桜の花が満開に向かうこの時期に、すべての教職員とともに、みなさんの入学を心から歓迎いたします。
 そして、新入生のみなさんを今日まで育て、その勉学を支えてこられたご家族をはじめ関係のみなさまには、こころよりお慶びを申し上げます。
 また、後援会、評議員の先生方をはじめご来賓のみなさまにはご多用のところをご臨席賜りまして、厚く御礼を申し上げます。

 新入生のみなさんが入学された大学院ならびに大学の運営母体である学校法人樟蔭学園は、1917年、大正6年に設立された樟蔭高等女学校がその歴史の始まりです。大正・昭和・平成の3つの時代、100年を超えて女子教育に携わり、これまでに約10万人の卒業生を社会に送り出しています。歴史と伝統の良さを守りつつ、次の元号の時代にもその時代に即した女子教育の新しいページを作っていきたいと考えています。

 ところで2025年、みなさんは、どういう生活をしているのでしょうか?どんな仕事をしているのでしょうか?2025年は、大阪・関西万博が開催される年です。
 ここ大阪・関西では、今年2019年はG20サミット首脳会議、並びにこの東大阪市の花園ラグビー場も試合会場の1つであるラグビーワールドカップが開催されます。また2021年には、生涯スポーツの世界大会であるワールドマスターズゲームズが大阪を含む関西で行われ、そして2025年の万博開催へと続きます。ここ数年の外国人観光客の伸びと併せて、大阪を中心とした関西エリアにおいては一気に国際化の波が押し寄せます。関西エリアのみならず、これからみなさんは「内なる国際化」という言葉に象徴されるように、多様性に満ちた社会で生活をし、仕事をしていくことになります。

 国や宗教をはじめ、これまでの生い立ちや生活環境など様々の背景から、考え方や価値観の違う人たちと接する機会が多くなります。日本人どうしでも、意見の相違があるのですから、コミュニケーションをどう取るのかが問題になってきます。

 コミュニケーションをうまく取るには、まず相手をよく理解することが重要です。どんな人でも自分より良い面が必ずあるので、その良い面を探してリスペクトすることで相手に対する理解を深めてみては?と、これまでホームページの学長だよりに記してきました。また、その相手を褒めることでその場の雰囲気も良くなり、お互いを高めていくことにつながる、と学位授与式の場で述べてきました。新入生のみなさんにも「相手をリスペクトし褒める」ことをお薦めしたいと思います。

 そして今日は、この「相手をリスペクトし褒める」ということを少し違った角度から考えてみたいと思います。これまでは自分を主語として「相手をリスペクトし褒める」ということを私は伝えてきましたが、逆に相手を主語として考えてみることにします。つまり、自分の周りにいる相手の立場に立ってみて、その相手がいかにして自分をリスペクトしてくれるようになるのか、という視点を持ってみるということです。この視点は、自分自身がリスペクトされる対象となれば、自然とお互いを理解しあい、双方向の関係性が円滑に進むという考えが基本となっています。

 相手がリスペクトしてくれるような自分になるのは少し難しいなあ、と感じる人もいるかと思います。でもちょっとしたことでリスペクトされる状態に近づけるのでは、と私は思います。

 そのちょっとしたこととは、「自分自身を高めていく姿勢を見せる」ということです。そして、たとえ姿勢を見せることができなくても、「高めていこうと意識を持つ」だけでも良いと思います。そういう姿勢や意識づけは、自ずと周りの人たちに伝わります。伝わると同時に自分が周りの人たちをリスペクトすることで、周りの人たちも自分に対してリスペクトしてくれるようになるはずです。

 では、どのようにして自分自身を高めていけば良いのでしょうか?いろいろなやり方があると思いますが、私自身が実践していることをお伝えしたいと思います。

 それは、「今より少し高めの目標を掲げ実行し、目標を達成できたらそのレベルを少し上げて、次の目標を設定し実行していく。これを繰り返していく」というものです。

 先日、現役引退を表明したイチロー選手も会見の場で、ほぼ同じことを話していて、私自身、ビックリしたと同時に嬉しく思いました。ご存知の方も多いとは思いますが参考になると思い、彼が話した内容の一部を要約し紹介いたします。

(略)

 つまり、自分の目標、それは高すぎると挫折してしまうこともあるので、小さい目標を設定し達成したら少しハードルを上げていく。これを地道に繰り返すことで自分自身を高めていったのです。この地道な繰り返しは、時にはマイナス、遠回りをすることもあるけれど、自分が決めた目標に対して信じて歩んでいったということです。
 こういうルーティンが「自分自身を高めていく」ことにつながると思いませんか?

 大阪樟蔭女子大学では、学園の建学の精神を踏まえ、『知性美』『情操美』『品性美』の3つの『美』を通して社会に貢献する「美 Beautiful 2030」をスローガンにグランドデザインを提示しています。ここでいう『美』とは、単に外見上のものではなく、むしろ内面から醸し出される美しさであり、教養があり立ち居振る舞いに品のある洗練された『美』を意味しています。

 先ほど述べた小さい目標に向かい努力する姿勢が、まさしくここで言う『美』に当てはまると思います。目標をすぐに達成できなくても良いのです。遠回りをしても良いのです。ただ、小さな目標を超えていこうとする意識を持ち続ける習慣を、学生時代に身につけてほしいと思います。専門分野の学びを修得するとともに、学生時代にしっかりとした『美』を身につけ、社会で活躍、貢献できる女性に成長できるよう、われわれ教職員はできる限りのサポートをします。

 大阪・関西万博のテーマは、「いのち輝く未来社会のデザイン」です。20190401sakura.jpgまたサブテーマの1つは、「多様で心身ともに健康な生き方」です。2025年、みなさんが、健康で生き生きと輝く女性として多様性に満ちた社会で活躍していることを願い、平成最後の入学式の式辞の結びといたします。

 みなさん、ご入学、まことにおめでとうございます。

平成31年4月1日
大阪樟蔭女子大学 学長
北尾 悟

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