大阪樟蔭女子大学公式サイト 学長だより 北尾悟
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平成31(2019)年度 入学式式辞

20190401kitao_gakucho.jpg 本日晴れて大阪樟蔭女子大学大学院ならびに大学に入学された新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。桜の花が満開に向かうこの時期に、すべての教職員とともに、みなさんの入学を心から歓迎いたします。
 そして、新入生のみなさんを今日まで育て、その勉学を支えてこられたご家族をはじめ関係のみなさまには、こころよりお慶びを申し上げます。
 また、後援会、評議員の先生方をはじめご来賓のみなさまにはご多用のところをご臨席賜りまして、厚く御礼を申し上げます。

 新入生のみなさんが入学された大学院ならびに大学の運営母体である学校法人樟蔭学園は、1917年、大正6年に設立された樟蔭高等女学校がその歴史の始まりです。大正・昭和・平成の3つの時代、100年を超えて女子教育に携わり、これまでに約10万人の卒業生を社会に送り出しています。歴史と伝統の良さを守りつつ、次の元号の時代にもその時代に即した女子教育の新しいページを作っていきたいと考えています。

 ところで2025年、みなさんは、どういう生活をしているのでしょうか?どんな仕事をしているのでしょうか?2025年は、大阪・関西万博が開催される年です。
 ここ大阪・関西では、今年2019年はG20サミット首脳会議、並びにこの東大阪市の花園ラグビー場も試合会場の1つであるラグビーワールドカップが開催されます。また2021年には、生涯スポーツの世界大会であるワールドマスターズゲームズが大阪を含む関西で行われ、そして2025年の万博開催へと続きます。ここ数年の外国人観光客の伸びと併せて、大阪を中心とした関西エリアにおいては一気に国際化の波が押し寄せます。関西エリアのみならず、これからみなさんは「内なる国際化」という言葉に象徴されるように、多様性に満ちた社会で生活をし、仕事をしていくことになります。

 国や宗教をはじめ、これまでの生い立ちや生活環境など様々の背景から、考え方や価値観の違う人たちと接する機会が多くなります。日本人どうしでも、意見の相違があるのですから、コミュニケーションをどう取るのかが問題になってきます。

 コミュニケーションをうまく取るには、まず相手をよく理解することが重要です。どんな人でも自分より良い面が必ずあるので、その良い面を探してリスペクトすることで相手に対する理解を深めてみては?と、これまでホームページの学長だよりに記してきました。また、その相手を褒めることでその場の雰囲気も良くなり、お互いを高めていくことにつながる、と学位授与式の場で述べてきました。新入生のみなさんにも「相手をリスペクトし褒める」ことをお薦めしたいと思います。

 そして今日は、この「相手をリスペクトし褒める」ということを少し違った角度から考えてみたいと思います。これまでは自分を主語として「相手をリスペクトし褒める」ということを私は伝えてきましたが、逆に相手を主語として考えてみることにします。つまり、自分の周りにいる相手の立場に立ってみて、その相手がいかにして自分をリスペクトしてくれるようになるのか、という視点を持ってみるということです。この視点は、自分自身がリスペクトされる対象となれば、自然とお互いを理解しあい、双方向の関係性が円滑に進むという考えが基本となっています。

 相手がリスペクトしてくれるような自分になるのは少し難しいなあ、と感じる人もいるかと思います。でもちょっとしたことでリスペクトされる状態に近づけるのでは、と私は思います。

 そのちょっとしたこととは、「自分自身を高めていく姿勢を見せる」ということです。そして、たとえ姿勢を見せることができなくても、「高めていこうと意識を持つ」だけでも良いと思います。そういう姿勢や意識づけは、自ずと周りの人たちに伝わります。伝わると同時に自分が周りの人たちをリスペクトすることで、周りの人たちも自分に対してリスペクトしてくれるようになるはずです。

 では、どのようにして自分自身を高めていけば良いのでしょうか?いろいろなやり方があると思いますが、私自身が実践していることをお伝えしたいと思います。

 それは、「今より少し高めの目標を掲げ実行し、目標を達成できたらそのレベルを少し上げて、次の目標を設定し実行していく。これを繰り返していく」というものです。

 先日、現役引退を表明したイチロー選手も会見の場で、ほぼ同じことを話していて、私自身、ビックリしたと同時に嬉しく思いました。ご存知の方も多いとは思いますが参考になると思い、彼が話した内容の一部を要約し紹介いたします。

(略)

 つまり、自分の目標、それは高すぎると挫折してしまうこともあるので、小さい目標を設定し達成したら少しハードルを上げていく。これを地道に繰り返すことで自分自身を高めていったのです。この地道な繰り返しは、時にはマイナス、遠回りをすることもあるけれど、自分が決めた目標に対して信じて歩んでいったということです。
 こういうルーティンが「自分自身を高めていく」ことにつながると思いませんか?

 大阪樟蔭女子大学では、学園の建学の精神を踏まえ、『知性美』『情操美』『品性美』の3つの『美』を通して社会に貢献する「美 Beautiful 2030」をスローガンにグランドデザインを提示しています。ここでいう『美』とは、単に外見上のものではなく、むしろ内面から醸し出される美しさであり、教養があり立ち居振る舞いに品のある洗練された『美』を意味しています。

 先ほど述べた小さい目標に向かい努力する姿勢が、まさしくここで言う『美』に当てはまると思います。目標をすぐに達成できなくても良いのです。遠回りをしても良いのです。ただ、小さな目標を超えていこうとする意識を持ち続ける習慣を、学生時代に身につけてほしいと思います。専門分野の学びを修得するとともに、学生時代にしっかりとした『美』を身につけ、社会で活躍、貢献できる女性に成長できるよう、われわれ教職員はできる限りのサポートをします。

 大阪・関西万博のテーマは、「いのち輝く未来社会のデザイン」です。20190401sakura.jpgまたサブテーマの1つは、「多様で心身ともに健康な生き方」です。2025年、みなさんが、健康で生き生きと輝く女性として多様性に満ちた社会で活躍していることを願い、平成最後の入学式の式辞の結びといたします。

 みなさん、ご入学、まことにおめでとうございます。

平成31年4月1日
大阪樟蔭女子大学 学長
北尾 悟

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