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樟蔭レポート

私達教員にとって「春休み」というのは、世間では休みと呼ばれて はいるものの、学期中よりも忙しい、むしろ一年で最も多忙を極めると言ってもいい季節です。年度代りですから教員に限らず、様々な仕事の現場で同じことが起こっているかもしれません。旧年度のまとめや整理をしつつ、新しい年度の準備を進めています。新高校3年生はもう完全に受験体制に入っていますので、担当の教員ともども「休み」などという感覚そのものがありません。加えて新高校2年生もいよいよ始動です。春期講習だけでなく、自主的に自習室に通い続けている生徒もたくさんいます。

 

こんな中で、今年は例年よりも早い桜の開花に、花を愛でる暇もないまま、いつの間にか季節はすっかり春を迎えました。エフェメラル(ephemeral)とは、「束の間」とか「儚い」という意味の英単語です。ですから「スプリング・エフェメラル」と言えば「春の儚さ」となり、十日も待たずして散りゆく桜の花を想像してしまいますが、実は、カタクリや福寿草などのように、全体は小柄でありながら、それに比して大きく、華やかな色彩の花弁を持ち、地下に根茎や球根を持つ植物のことを言います。春先に花をつけ、夏まで葉をつけると、それ以降は地中の球根のみとなってそのまま越冬する草花の総称です。地上に姿を見せる期間はわずかな間です。

 

じっくりと地中で養分を蓄え、まだ寒さの残る早春に咲き出でるこれらの花々が私は大好きです。一輪一輪がしっかりとした主張を持ち、それでいて見るものの心に安らぎを与えてくれます。特に福寿草は、元日草や朔日草(ついたちそう)とも呼ばれ、福寿草という和名も含めて、新春を祝い、喜びをもたらすめでたい花です。桜前線が足早に通り過ぎようとする今、樟の葉蔭で育つスプリング・エフェメラル(春の妖精)に来春も出会えることに思いを馳せて、今年度の私の執筆を終えたいと思います。福寿草、花言葉は永久の幸福、思い出、幸福を招く、祝福。

 

6年一貫コース担当 中学教頭 松尾隆之