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樟蔭レポート

皆様、お久しぶりです。この樟蔭レポートも担当者が増え、原稿の締切に追われることがなくなった一方で、少しさびしい気持ちになっています。人間って勝手なもので、執筆の機会が減るとあれもお伝えしたい、こんなことも紹介したい、そんな思いが募ります。しかし、このレポート(ブログ)は広く樟蔭のことを知っていただくためのページ。そういう意味では、続々と登場する本校教員の執筆内容と行事紹介は、私の独りよがりな駄文よりも、本校の姿をより魅力的に幅広くお知らせできることでしょう。今後ともよろしくお付き合いください。

 

実は私の担当教科は国語なんです。このレポートで、このフレーズが続きました。在校生や保護者の皆様にとっては「何を今さら」と思われるでしょうが、私の場合は、特別です。長期休暇のおりなどに特別に「国語」を受け持つことはありますが、日頃は「国語」を担当しておりません。最近はもっぱら中学の「道徳」担当教員なのです。だから生徒にとっては、特に新入生にとっては正体不明の教員なのです。道徳と言えば、どんなことを連想されるでしょうか。「礼儀、マナー、躾」「人権、平和、思いやり」「勇気、希望、不屈の精神」そして「生きる力」。非常に間口も広ければ、奥行きも深い分野です。にもかかわらず、文部科学省が副読本を配付したり、しなかったり。教科書化の話もあります。教育関係者としては、大いに関心を持たなければならないことですが、そのことはさておき、学校には教科指導以外の部分があり、それが非常に重要であることは確かなことです。生徒会指導(本校では自治会活動と呼んでいます)、生活指導(決して生徒を縛りつける指導ではありません)、進路指導(受験指導だけではありません)など、他にも保健教育、情操教育、校外活動、例をあげればきりがありません。その学校の真の姿と大切にしているものは、それらのひとつひとつの活動や指導内容からうかがい知ることができます。これからも次々と登場する本校教員のレポートを参考にしていただければと思います。

 

「あの坂をのぼれば、海が見える」杉みき子さんの作品の書き出しです。国語の教科書に載せられていたこともあり、「今でも忘れられない」「私の好きな作品」とおっしゃる方が大勢いらっしゃいます。私もその一人です。短編集「小さな町の風景」(偕成社文庫)にも所収されています。この作品を「道徳」の時間で扱ったことはまだありませんが、ぜひ取り上げたいと常々考えています。

 

 

幼いころ、添い寝の祖母から、いつも子守歌のように聞かされた言葉。「あの坂をのぼれば、海が見える」数々の重圧に耐えきれなくなった少年は、磁石が北を指すように、まっすぐに海を思います。自分の足で、海を見てこようと。しかし、峠をいくつ越えても海は見えません。こんなつらい思いをして、いったい何の得があるのか、本当に海に出られるのか。なにもかもどうでもよくなってきます。疲労が胸をつきあげます。「もう、やめよう」と思ったそのとき、一羽の海鳥の声を耳にするとともにその姿を目にします。そして、海鳥はまるで先導するかのように峠を越えてゆきます。「あの坂をのぼれば、海が見える」海鳥のおくりものような一片の羽根を手に、少年は再び歩き始めます。

 

実は私は、国語も教える道徳担当教員なのです。

 

 

6年一貫コース担当 中学教頭 松尾隆之

 

 

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白髪岳にて

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段ケ峰にて

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入道ケ岳より四日市の海