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樟蔭レポート

今回はカエルの話をします。カエルの子どものオタマジャクシですが,前肢と後肢のどちらが先に出来るかご存知ですか? 『オタマジャクシはカエルの子…やがて手が出る,足が出る』という童謡があります。この歌では手(前肢)が先のように歌われていますが,少し知識のある方は,後肢が先と思っておられる方も多いと思います。しかし,厳密に言うと,どちらも間違いで,前後ほぼ同時というのが正解です。ただし,後肢は体の外で作られるのに対し,前肢は体内(皮膚の内側)で作られ,完成してから外に出てくるのです。ですから,後肢は小さな状態から,だんだん大きくなってくるのが観察できますが,前肢は全くない状態から,ある日突然出現するという感じです。したがって,その時期のオタマジャクシでは,人の手で前肢を押し出して体外に出すということができます。私も子どもの頃,何度かやったことがあります。

ところで,完成した前肢はどこから外に出てくるのでしょう? それはえら孔からなのです。オタマジャクシ時代はえら呼吸ですが,カエルになると肺呼吸に変わります。えら孔は不必要になるのでふさぐ必要があります。また,前肢を出す孔を開ける必要があります。その2つを一挙に解決しているのです。

ちなみに,カエルと同じ両生類のイモリやサンショウウオは,前後肢とも体外で作られ,しかも前肢が先に作られます。また,イモリやサンショウウオは,成体でも四肢の再生能力がありますが,カエルの成体は,四肢の再生能力がなく,切断されたりすればそのままです。しかし,肢が作られている時期は再生能力があり,傷ついたり,切れたりしても,元に戻ります。ただ,2つに裂けるような傷では,裂けたそれぞれが1本の肢になって,4本以上の肢をもつカエルが出来ることがあります。特に後肢は外で作られるので,そうなる機会が多くなります。私も,後肢が3本あるカエルを見たことがあります。

オタマジャクシがカエルになることを「変態」といいます。近頃,ポケモンGOが流行っていますが,ポケモンが「進化」するという言い方は,生物学的には間違いで「変態」と言うべきです。「進化」というのは,何世代も経て変化していくことで,一生の間の変化は「変態」です。変態というと,あまり語感が良くないと思われる方も多いでしょうが,英語では“metamorphosis”「メタモルフォシス」と言います。かっこよくないですか? ちなみに,変態しないカエルというか,卵の中で変態を済ませてカエルになってから卵から出てくるカエルも世界にはいます。

今回は適当な標本が無かったのですが,せっかくですからカエルの液浸標本の写真を載せておきます。

20161021
理科(生物)の増田でした。