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樟蔭レポート

8月1日から4日まで、高原学舎に同行してきました。こちらも暑かったのでしょうが、信州あたりもなかなかの暑さでした。標高1300mのキャンプ場で、昼間28℃、朝18℃というぐあいです。

他でも報告があがると思われますので、ここでは理科に関する内容に絞ります。

キャンプ場についてすぐに目にとまったのが、変形菌というグループに属するムラサキホコリのなかまです。菌とつきますが、カビやきのこなどの菌類のなかまではありません。

この黄色いものは変形体と呼ばれるもので、成熟すると、翌朝撮影した次の写真のようになります。

これがさらに成熟すると黄色い変形体の右に写っている状態のもの、子実体になり、胞子が形成されます。変形菌は南方熊楠が研究した対象として有名です。

夜、テントの周りに現れたカエル、ヒキガエルのなかまですかね。

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朝早く起きて、森の中を少し歩くと動物の足跡が見られました。イヌ科のものでしょうけれど、キツネなのかタヌキなのか、あるいはまた別のものなのか、わかりません。

このあたりまで来ると、ツキノワグマがすんでいるので、樹木の幹にクマの爪痕が残っていることもあります。

ヤドリギのなかま。種名まではわかりませんが、自分でも光合成を行いながら、宿主の木の幹などに根を侵入させ、木から水と無機養分をとって生活している半寄生植物です。関西あたりでもたくさんみられます。

巣鷹湖(スタカ湖)とその向こうのキャンプ場、トンボとワレモコウ。

キャンプ場を離れて鍋倉高原へ。途中の道路から野沢温泉とそのスキー場遠望。

鍋倉高原は標高500m程度と、生駒山頂より低いので、とにかく暑い。みなさんはそば打ち体験や草木染めなどをしていましたが、空いた時間に付近を探索。タマゴタケがりました。

かさが赤色、柄は黄色地に橙色のだんだら模様というぐあいで、いかにも毒々しい見立てです。ところが、食べておいしいきのこなのです。大久保が採集して食べた野生きのこのうまさベスト10の上位にまちがいなく入るきのこです。安易に食する話を書いてしまいましたが、タマゴタケはテングタケ属というなかままに属します。テングタケ属には、1本食べればほぼまちがいなく死に至るという猛毒種が多く含まれていますから、生半可な知識で、きのこを食べようなどとは決してしないでください。

鍋倉高原から、次の宿泊先である奥志賀高原へ。ペンションに着くとさっそくBBQをいただきました。その合間にペンションすぐ裏手で少々植物観察。

ヤナギラン(植栽)

オダマキのなかま
アザミのなかま

 

 

サンカヨウ

3日目は、志賀高原ハイキングから。ここは、数十万年前から数万年前に活動した火山、志賀山の溶岩流と、その溶岩流によってせき止められたあとにできた高層湿原です。

岩の上に立つ樹木。さて、岩の上に樹木が生育していますが、これはどういうことでしょうか。不自然ですね。実は、火山噴火で出てきた溶岩流の表面に、長い年月の後、いろんな植物たちが生育できるようになったときに、この木もここに根付いたのです。その後、溶岩流の表面が侵食され、この木の根が囲んでいる周囲の岩がなくなってしまったのです。

溶岩には大小さまざまな隙間があります。この隙間のなかには、ヒカリゴケというめずらしいコケが生育しています。

ヒカリゴケという名がつけられていますが、けっしてヒカリゴケ自体が光っているわけではありません。ヒカリゴケには葉緑体を含むレンズ状をした細胞があります。暗い中に侵入してきたわずかな光が、レンズ状の細胞を通過して反射して光っているのです。わずかな光の入射光と反射光との両方を利用するためのしくみです。

田ノ原湿原

奥に見える低い尾根の向こう側から歩いてきました。この湿原で見られた植物たち。

野生ランのなかま

コバノギボウシ

クルマユリ

モウセンゴケ(食虫植物。巻いている葉があるので、小さな昆虫を捕らえているはず)

ツルコケモモの花(果実はジャムになってますね。コケモモとは別種です)

ハイキング後は横手山へ。山頂付近の植物たち。

オオシラビソと、松ぼっくりならぬオオシラビソぼっくり。この木の樹脂のにおいがとても好きです

ニッコウキスゲ

野生ランのなかまを二種

ゴゼンタチバナ

横手山頂上から眺めた白根山(草木のない山)と浅間山(その奥。7日に噴火しましたね。)。2018年1月に噴火した本白根山は、この写真の白根山と浅間山との間です。写真の赤い丸の中には、この写真では割りにくいですが、うっすらと富士山が見えているのです。

白根山北斜面に見られる噴気地帯

草津温泉湯畑の段差に見られる地層が気になってました。調べてみると火砕流堆積物のようです。

高原学舎では、特にキャンプ場で夕立によくあうのですが、今回はそのようなこともなく、楽しく過ごしてきました。

大久保雅弘:2年冬組担任・理科(地学、生物)担当