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樟蔭レポート

この夏は暑かった、いや、熱かったですね。夏にはいつもと違った山を歩くことにしています。最初にチャレンジした山が木が生えていない尾根筋中心だったので、この体温越えの気温の中、なかなか厳しい経験をしました。『40℃超えの日本列島でヒトは生きていけるのか』というのは本のタイトルです。もちろん生きていけます。暑く感じているときに体の中心部の体温が上昇するのを防ぐために、発汗による放熱と、皮膚表面に血液を多く流すことによる放熱を行って調整するそうです。ただ、運動中は筋肉や脳に優先的に血液を送らなければならないので、皮膚表面の血管からの放熱は期待できず、もっぱら発汗に頼ることになるそうです。すなわち、体内の水分切れが命取りになるということです。もう暑さのピークは過ぎましたが、暑い中での運動中は、“命をかけて”水分補給をしてください。

さて、以上のようなことなので、この夏の山歩きも、谷筋中心に切り替えることにしました。いろいろ調べていて、サギソウなど、野生の状態では見る機会がとても少ない植物たちを見に行くことにしました。場所は「湿原」です。湿原のでき方についてはいくつかあります。今回見に行った湿原は、湧水、すなわち岩などからしみ出した水が、水を通しにくい地層の上にたまってできたものです。

サギソウは、鷺草、サギが翼を広げたような美しい花です。園芸店でもよく売られていますが、その姿の美しさ故、盗掘されるなどして、野生のものはめったにお目にかかれません。

サギソウ

ついでに湿原に育ついくつかの植物を見てきました。モウセンゴケはわかるでしょうか。食虫植物のなかまで、葉の毛のような突起の先から粘液を出し、この粘液で虫などを絡め取り、葉内で消化して栄養分を得ます。普通に光合成する植物と一緒に生育すると負けてしまうので、貧栄養という普通の光合成植物にとっては栄養不足の場所で生育します。

モウセンゴケ(左の葉に絡みついている虫がわかりやすい)

あとはミミカキグサ(耳かき草)とそのなかま、ホザキミミカキグサとムラサキミミカキグサ、ムラサキミミカキグサにとまっているトンボはハッチョウトンボという湿原にいる珍しいトンボです。

ミミカキグサ(伸びた茎が耳かきの柄、花がかくところ)
ミミカキグサ花拡大
ホザキミミカキグサ
ムラサキミミカキグサ
ムラサキミミカキグサにとまるハッチョウトンボ(とても小さなトンボです)
ミズギボウシ
サワギキョウ

湿原は2カ所に出かけました。そのうち一カ所は、場所が狭いので、ついでに付近の山を歩いて三角点の1つくらいは通っておこうとにして、地図を眺めながら歩くコースを選定していました。するといくつかの谷(水色)と尾根(緑)が平行に走っているのに、妙なくびれ(赤)があり、なんとなく直線に並んでいる様子を見つけました。

もう少し広い範囲を見ると、その直線はもう少しのびています(赤い直線)。

このような地形を直線上に残すのは断層、しかも活断層です。地学基礎の教科書では“最近数十万年間にくり返し活動した証拠がある断層で、今後も活動する可能性が高い”断層となっています。活動した証拠というのが、まさにこのような地形の食い違いです。地質図を調べてみると十万辻断層という活断層でした。足を伸ばして、活断層でできた谷も歩いてきました。

さて、樟蔭のがある大阪平野も活断層で囲まれています。東は生駒断層、北は有馬高槻構造線、西は上町断層、南は中央構造線です。これらも、地形に活動した証拠が明瞭に残っています。地震を起こさないで欲しいと願うばかりです。

1年春組担任、理科(主に地学と生物)、大久保雅弘