公開講座等(関屋キャンパス)

2009年12月5日(土)

当講座は終了いたしました。

日時

平成21125日(土)

場所

大阪樟蔭女子大学関屋キャンパス

講演内容


社会全体が不寛容になり、イラツキやムカツキが広がっているようです。
そういった中で、保護者と教師はではないのに、時としていがみあう
現実があります。

この講演では、お互いの置かれたいまの状況から出発し、
子どものために手をとりあう関係をどのようにして作っていったらよいのか
についてお話しします。

「教育界の綾小路きみまろ」と評される小野田節を、
漫談でも聞くかのような形でお楽しみください。
イメージ

講師

小野田正利先生

小野田正利(大阪大学大学院人間科学研究科教授)

名古屋大学大学院教育学研究科卒業。
専門は教育制度学・学校経営学。
フランスの教育制度に関する「教育参加と民主制」の研究で
日本教育経営学会賞(1997年)を受賞。

徹底して「学校の今とこれから」を事実に即して丁寧に考えることをめざし、
‘学校現場に元気と自信を!’をモットーに地に足をつけた研究を続けている。

講座報告

平成21年度大阪樟蔭女子大学・短期大学部公開講演会が開催されました。

 学校は社会の縮図。学校で今起こっていることの背景には、人々の意識や感情の変化が大きく影響している。孤立する子育て(母親だけが)、ストレスの種は大人の社会生活にどんどん増える一方であるが、効果的な解消法もわからず、環境も整わない。イライラはどんどんつのっていき、寛容さはますますなくなり、お金さえ払えば何を(どんなサービスでも)要求してもかまわないと、消費者権利を振り回す大人も増えている。教師は教師で、猫の目のように変わる教育改革という名の方針変更に疲れきっており、子どもと向き合う時間を確実に減らしている。このように、昔は、学校・保護者・子どもが共に信頼関係を持ちながら教育というプロセスを協力しつつ全うしていく「三位一体」の関係であったのが、いまや、イライラのつのる保護者と、本業以外で疲れきっている学校と、手厚く手をかけてもらっていない愛情不足の子どもが、「三つ巴」となって空まわりしているというのが今の学校の姿だと、小野田先生は分析された。
 このように、あるべき良好な「三位一体」関係が、険悪な「三つ巴」関係となってしまわないように、教育界の綾小路きみまろこと小野田先生が、熱く語ってくださった処方箋は……。

一に、まずは子どもと向かい合おうということ。正面から向かい合って、先入観なく子どもの話す言葉に耳を傾けよう。聴くことこそが大事。親の意見やお小言、ご教訓は一切なし。二に、何か子どもがおかしいなと気づいたら、まずは当事者どうし、先生、他の保護者、子どもも含めて、お互いの顔が見えるところで、直接に話し合うこと。メールや電話と違って顔が見えるところでは、発言に責任が伴うので、モンスターへと変身しにくい。また、当事者の頭を飛び越えて話が進んでいってしまうのは、かえって問題をこじらせることになりがちである。下手な伝言ゲームのように、ゲームの最後は、始めと似ても似つかぬ姿になり果てていることも少なくない。三に、“あなたは無理、難題を言っています、クレーマー行為をしていますよ”と暗に指摘してくれる(袖を引っ張ってくれる)、ブレーキをかけてくれるような、おせっかいだけど、温かみのある保護者間の人間関係をつくっていくこと。親同士が横に結びつくことが肝心である。四に、要求・クレームの一方通行は控えよう、というアドバイス。要求・クレームは、せめて、“私はこういうこと(貢献)ができますが……”というように、自分の当事者としての問題関与の意志とセットにして伝えれば、快く聞いてもらえる(真心が伝わる)、といったものであった。

公開講演会パンフレット公開講演会パンフレット(810.85 KB)

詳細

対象:一般及び学生
定員:なし
参加:無料
申込:本学ホームページもしくはFAX、e-mailにてお申込みください。   
    住所、氏名(フリガナ)、電話番号と公開講演会参加希望の旨を明記してください。   
    なお受講許可証等はお送りしませんので当日会場へお越しください。
締切:平成21年12月4日(金)
キッズルーム:有り(無料:要申込)〔キッズルーム申込締切:12月2日(水)〕


アクセス

申込み・お問合せ

問合せ:大阪樟蔭女子大学学術振興課(関屋キャンパス)    
    〒639-0298 香芝市関屋958    
    TEL 0745-71-3168  FAX 0745-71-3141    
    e-mail<s-gakujyutsu@osaka-shoin.ac.jp>    
    URL http://www.osaka-shoin.ac.jp


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