このように、あるべき良好な「三位一体」関係が、険悪な「三つ巴」関係となってしまわないように、教育界の綾小路きみまろこと小野田先生が、熱く語ってくださった処方箋は……。
一に、まずは子どもと向かい合おうということ。正面から向かい合って、先入観なく子どもの話す言葉に耳を傾けよう。聴くことこそが大事。親の意見やお小言、ご教訓は一切なし。二に、何か子どもがおかしいなと気づいたら、まずは当事者どうし、先生、他の保護者、子どもも含めて、お互いの顔が見えるところで、直接に話し合うこと。メールや電話と違って顔が見えるところでは、発言に責任が伴うので、モンスターへと変身しにくい。また、当事者の頭を飛び越えて話が進んでいってしまうのは、かえって問題をこじらせることになりがちである。下手な伝言ゲームのように、ゲームの最後は、始めと似ても似つかぬ姿になり果てていることも少なくない。三に、“あなたは無理、難題を言っています、クレーマー行為をしていますよ”と暗に指摘してくれる(袖を引っ張ってくれる)、ブレーキをかけてくれるような、おせっかいだけど、温かみのある保護者間の人間関係をつくっていくこと。親同士が横に結びつくことが肝心である。四に、要求・クレームの一方通行は控えよう、というアドバイス。要求・クレームは、せめて、“私はこういうこと(貢献)ができますが……”というように、自分の当事者としての問題関与の意志とセットにして伝えれば、快く聞いてもらえる(真心が伝わる)、といったものであった。
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