今の子どもたちは、現代的な、ある意味商業化された音楽に囲まれて育っています。それゆえ、音楽の授業でとりあげられる教材・楽曲は、少し退屈だったり、古臭いと感じてしましがちです。小学校高学年、中学校ともなれば、普段、慣れ親しんでいる国内外のポップス以外の音楽には、正直いって興味も湧かなくなります。しかし、今どきの子どもにとって“イケテナイ”曲の代表である「唱歌」であっても、教師に、その音楽に関わる音楽的・文化的な知識をわかりやすく語って聞かせる力量があれば、そして、唱歌なりの固有の芸術性をうまく引き出して子どもに示してやることができれば、いきいきと生まれ変わらせることができるということを、たくさんの例示・実演によって理解することができました。
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