公開講座等(関屋キャンパス)

2010年7月24日(土)

当講座は終了いたしました。

日時

平成22年7月24日(土)
14:00〜15:30

場所

大阪樟蔭女子大学 関屋キャンパス

心理学部「夏の公開講座」『心理学の誤解を解くーアートと心理学の微妙な関係ー』が開催されました。

心理学は「心」を自然科学の方法で理解しようと独自のやり方を開発した。心理学を学ぶことで、人間性に対する理解が深まり、様々な問題に、今まで気づかなかった視点から光を当てることが出来る。
この講座では芸術心理学の立場から、絵画をどのように分析し、鑑賞するか、幾つかの例を挙げて紹介した。

カイユボット「パリ、雨の日」
印象派のこの絵は空間の広がりがうまく表現できている。平面の絵なのに、奥行きがあるように見える。そのわけを「奥行き知覚の手がかり」という知覚心理学の知識を使って説明してみた。

葛飾北斎「富嶽三十六景 江戸日本橋」
おなじく、みごとな独自の空間の表現が見られる日本の作品だが、美術史的には、先のカイユボットらの印象派に大きな影響を与えている。

ジョルジョ・デ・キリコ「solitudine 孤独」
この絵は一見遠近法的だが、消失点が一致せず、中央部に不思議な空間が生まれている。これがこの絵の印象を支配している。絵を見るという行為はそこにある絵と、見る人の内側にある記憶や知識、経験、情緒などを照らし合わせながら印象を形成していく作業と考えられる。本来存在しない空間に何を見るかは見る人次第だが、煙を吐きながら遠くを走る汽車はノスタルジアを呼び起こさないだろうか。

ルビンの壺などの反転図形では、注意が向いている部分が「図」、背景になっている部分が「地」とされる。これを絵画にしたのがエッシャーといわれているが、果たしてそれだけだろうか?
ラトゥールとシュトゥック、光と影の対比を活用しつつ全く違う表現を求めた二枚の絵の比較から、エッシャーは明と暗、光と影を対立するものとしてではなく、連続するもの、お互いに入れ替わるものとしてとらえ、表していること、世界を固定した対立・緊張関係でとらえるような考え方、たとえば「善と悪」「真と偽」などの二分法を否定していることがわかる。

概要

心理学という言葉は身近なものですが、学問としての実体は意外に知られていません。一つの応用分野である臨床心理学が心理学全体を代表するようなイメージで語られたり、「血液型と性格」のような通俗的な見解がもてはやされたりしています。

この講座では心理学の基本的な枠組みを解説するとともに、心理学の広い応用範囲の中から芸術に関して話題を提供します。芸術を科学的に説明しようとするのは野暮なことかもしれませんが、心理学の目をもって作品を眺めるといろいろな発見があるのも事実です。

絵画のテーマや表現はその絵が描かれた時代、社会と人の心の有り様を反映しています。いくつかの例を挙げて紹介します。

講師

仲谷 兼人 氏 大阪樟蔭女子大学心理学部教授
(専門分野:知覚心理学、視聴覚教育)

詳細

対象 : 一般及び教職員、学生
定員 : 100名
参加 : 無料
申込 : 本学ホームページまたはFAX 、e-mailにてお申込みください。
      住所、氏名(フリガナ)、電話・FAX番号、e-mailアドレス(お持ちの方)と参加講座名を明記してください。
      なお受講許可証等はお送りしませんので当日会場へお越しください。
         ※下記フォームからお申し込み頂く場合、キッズルーム利用選択箇所を必ず「いいえ」に チェックをしてください。
          チェックがないとエラーがでてしまいますので、お気をつけください。

締切 : 7月23日(金)
主催 : 大阪樟蔭女子大学心理学部
共催 : 関屋キャンパス学術研究会
後援 : 香芝市・香芝市教育員会・奈良県教育委員会

アクセス

お問合せ

講座のお問合せは、下記学術振興課までお願いいたします。

 大阪樟蔭女子大学 学術振興課(関屋キャンパス)
 〒639-0298 香芝市関屋958
 TEL 0745-71-3168  FAX 0745-71-3141
 e-mail<s-gakujyutsu@osaka-shoin.ac.jp
 URL http://www.osaka-shoin.ac.jp

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