心理学は「心」を自然科学の方法で理解しようと独自のやり方を開発した。心理学を学ぶことで、人間性に対する理解が深まり、様々な問題に、今まで気づかなかった視点から光を当てることが出来る。 この講座では芸術心理学の立場から、絵画をどのように分析し、鑑賞するか、幾つかの例を挙げて紹介した。
カイユボット「パリ、雨の日」 印象派のこの絵は空間の広がりがうまく表現できている。平面の絵なのに、奥行きがあるように見える。そのわけを「奥行き知覚の手がかり」という知覚心理学の知識を使って説明してみた。
葛飾北斎「富嶽三十六景 江戸日本橋」 おなじく、みごとな独自の空間の表現が見られる日本の作品だが、美術史的には、先のカイユボットらの印象派に大きな影響を与えている。
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