児
童相談所では、虐待や非行を始め、さまざまな家族の問題が通報されたり相談されたりしています。そしてその中では、自身が虐待を受けた経験から自分の子ど
もにも虐待をしてしまうなどの、世代間の連鎖から脱却しにくい家族がかなりあります。価値観や人生観などの「観」の転換を図ることを通じて、たとえば、夫
婦間で真剣に話し合う姿を子どもたちに見せる、感謝の気持ちをオープンに表す、子どもに具体的に問いかけをして考えさせるなど、家族の中でコミュニケー
ションを取っていくことによって、子どもたちに「欲求不満への耐性」を作っていくことができるのではないかと思います。親が一方的に子どもに押しつけるの
ではなく、聞くべきことを聞いてあげる、そういう力が必要になっているのです。家族は過去を積み重ねてできて
いるものであり、急に変わるものではありません。しかし、過去があって現在があり、現在を乗り越えていかなければ、未来もないと思われるのです。