ワークショップ 「英語教育大激論!2014」を開催しました。

2014年11月28日(金)

English Language Teaching Center

樟蔭学園英語教育センター主催ワークショップ

日時: 平成26年11月15日(土)14時~16時
場所: 大阪樟蔭女子大学(小阪キャンパス)円形ホール
テーマ: 『小学校英語教育の功罪』
  第1部 <講演及び対談> 
    演者: 大津 由紀雄 氏 (明海大学 副学長、外国語学部教授)
      菅 正隆 氏 (大阪樟蔭女子大学 児童学部学科長、教授)
    コーディネーター: 安藤 公仁 氏 (大阪樟蔭女子大学 英語教育センター長、国際英語学科長)
  第2部 <英語教育センター見学&講師との懇談>

学校法人樟蔭学園は、平成21年4月、学園の英語教育の一層の充実・発展を目指し、「樟蔭学園英語教育センター」を設立いたしました。センターでは、学生・生徒が将来「英語が使える」女性として様々な分野で活躍できるよう、幅広い支援を提供しております。また、学園内外の英語教育関係者を対象に毎年講演会や研修会を開催してまいりました。

今年度は、「英語教育大激論!2014」と題し、小学校外国語活動の導入に一貫して否定的な立場を取ってきた大津 由紀雄 氏(明海大学副学長 外国語学部教授)と文部科学省教科調査官として、小学校外国語活動の導入に中心的な働きをしてきた菅 正隆 氏(大阪樟蔭女子大学児童学部教授、児童学科長)をお迎えし、「小学校英語教育の功罪」についてそれぞれのお立場から講演していただきました。その後、安藤 公仁 氏(大阪樟蔭女子大学 国際英語学科長、英語教育センター長)にコーディネーターをお任せし、お二人の講師の先生方の討論を進行していただきました。小学校英語導入の経緯、導入の真実、日本の英語教育、日本人の英語力、文部科学省がいう「小学校3年生から導入、5年生から教科化、グローバル人材育成」等、英語教育関係者にとって、現在、特に関心のあるテーマでした。

第1部 講演及び対談

<大津先生の講演の内容>

  • 小学校英語教育の功罪の「功」は何もないが、「罪」はたくさんあり、英語狂想曲の高まりをあおった。
  • 小学校英語の必修化は避けられないので教科化を食い止める。
  • 小学校英語を導入するときに、大きな二つの選択肢があり、それを是とするか非とするか。是をとるとまた二つの選択肢がある。英語を必修化するかしないかである。
  • 母語で思考を支えることが大切である。
  • 小学校英語の問題点は、必要な基盤が形成されていなければ、 いくら英語を教えても英語の基礎が身につかない。(見栄えのハリボテ英語力) 
  • ことばの教育のあり方において、 小学校では第一言語の母語を利用して言葉の働きを位置づける。
  • 今後は周りの英語狂想曲に惑わされないこと。 外国語も英語も母語としては身につかないので母語を大切に。
大津 由紀雄 氏

<菅先生の講演の内容>

  • 小学校英語導入の経緯は日本人の英語能力の低さから始まった。
  • 小学校英語導入の主旨を理解せず、小学校で英語を教えても意味がない。コミュニケーションの素地を養うことが大切である。
  • 学校長が功罪のKEYを握る人で、学校長にやる気があれば上手く行く。
  • 小学校外国語活動が形骸化される恐れがあることから教科化に。
  • 小小連携が一番難しい。協力すればいいものができるが、 小学校同士が競いあっているケースが見られる。
  • スキルが心を貧困にする。未成熟の段階で教科化は反対である。
菅 正隆 氏

<大津先生 VS 菅先生の対談の内容>

Q.小学校英語導入についてはどう思われますか?

  • 課題は見えているので導入してよかった。(菅先生)
  • 導入はよくない。小学校の先生の努力を忘れてはいけない。外国語活動を導入すれば、先生は対応せざるをえない。(大津先生)

Q.大津先生は、母語としての日本語の基盤が形成していなければ、英語を入れてもハリボテ英語力になるとおっしゃいましたが、まずは英語より日本語ということでしょうか?

  • この点については同感。言葉以前のコミュニケーション能力の素地を育てることが大切。(菅先生)
  • コミュニケーションの素地を育てるのになぜ外国語なのか?まずは母語で育てるべきではないか?(大津先生)

Q教科化することのメリット、デメリットを教えてください。

  • よく勉強できるのに英語が嫌いな生徒を作らないこと。そんな生徒が出てくるのはきっちりと評価されていないからだ。(菅先生)
  • メリットはなし。デメリットだけ。教科化は決定しているわけではないが、そうなるだろう。もし、教科化されてしまったら、言葉の教育の原点に立って、母語の獲得と平行して、教科化された英語を扱ってほしい。(大津先生)
大津先生VS菅先生の対談

第2部 <英語教育センター見学&講師との懇談>

リニューアルした英語教育センターの見学と講師の先生方との懇談会が行われました。

【参加者の皆さんの声】

先生方の現場の生の声を聞くことができて、英語教育について改めて考えさせられました。(30代・女性)

お二人のそれぞれの立場での率直な意見をお聞きでき、とてもおもしろくそして参考になりました。
また、このような講演があれば、是非お聞きしたいとおもいました。(40代・女性)

今、問題の英語教育について、最新のお話を伺うことが出来、よかったです。(50代・女性)

閉じる