人間が外界の情報を如何に捉えるかを探る認知心理学を中心に、人が感じる「らしさ」を研究対象にしています。 熟語が醸し出す「単語らしさ」、不思議現象の「確からしさ」など、まだまだ知りたいことがいっぱいです。
みなさん、元気ですか~!
大阪樟蔭女子大学大学院
臨床心理学専攻の先生たちを、
今日もはりきって紹介しちゃいます!
今回は、川上先生の研究室にお邪魔して
沢山お話を聞きたいと思いま~す。
川上先生、ヨロシクお願いします!
淹れたてのコーヒーまでごちそうになっちゃって、
すみません!
いえいえ、よろしく、
何でも聞いてください!
研究室には、本がいっぱいありますね。
パソコンも、1台、2台、3台…
ノートパソコンも入れると、5台ありますね。
ちなみにMacが4台です。
すごい。いかにも大学の“研究室”って感じ。
コンコン、ガチャッ。【学生Aが入ってくる】
「川上先生!レポートでちょっと分からない所があるんですけど…
教えてもらえますか?」
いいですよー。でも今、取材を受けているから
ちょっと待っていてくれるかな?
【学生A】「ハイ!」
すみません、学生さんを待たせちゃって。
お忙しいですよね。じゃあ早速いろいろと
お話を聞いていこうと思います。
焦らなくていいですからね。
川上先生のご専門は、認知心理学、と聞いているんですけど
授業ではどんな科目を担当されてるんですか?
大学院の担当授業は「心理統計法特論」ですね。
統計…大学院にも、統計の授業があるんですか?
選択科目ですけど、臨床心理学専攻でも、
どんな研究をするかによっては、
統計的な分析をすることがとても有効なんですよ。
そうなんですか。
でも、統計ってムズかしそう。
いや、実際に、自分が利用する場面と照らし合わせて、
統計の手法を理解してもらえるように努力しているので。
大丈夫ですよ。心理学の研究において、
統計はあくまでも手段だと考えているので。
手段、ですか。
料理の専門家になるのに、
包丁の作り方とかは要らないと思ってるので。
でも、どんな包丁が良い包丁か、扱う食材によって
包丁を見極めて使えることは大事ですよね。
臨床心理学の研究でも、適切な統計的分析を使うことで、
テーマとなっている事象について、
スパッ!と見えてくることもある、…って感じかな。
なるほど、分かります!
川上先生ご自身は、どんな研究をされてるんですか?
一応、単語の認知過程が研究の中心です。
ダンゴのミンチ・ソテー?お、美味しそう…。
メイ・レイお得意ワザの
“食べ物聞き違え”が出ましたね~。
「単語」の「認知過程」です。
平仮名や漢字などの文字や単語を
どうやって認識しているか、に関する研究ですよ。
へー単語のニンチ過程ね…。
あ、ハーイ、ハーイ。質問があります!
っていうか、ちょっと相談していいですか?
どうぞ。
私、メイ・レイっていう呼び名は、
正式には「螟蛉」って書くんです。
はいはい。
でも、漢字が難しいから、カタカナで「メイ・レイ」って
書いてもらってるんですけど…なんか、
何となく、上から目線で、偉そうに物言いそうな
音の響きじゃないですか?
「命令」ね。
ん…だから、もっといい呼び名にできないですかね?
なるほど。まかせなさい。
そういう時には、漢字を分解すればいいんだな。
分解?
そう。
まず「螟」は、「虫」に「ワ」「日」「六」だよね。
そして「蛉」は、「虫」に「へ」「、」「マ」と書きます。だから、
「ちゅう」「わ」「ひ」「6」「ちゅう」「へ」「、」「ま」。
「チュウワヒ6チュウヘ、マ」ちゃん、と名乗ると、よろしい。
チ、チュウワヒ…チュウワ…
…あ~、な、なんか、やっぱメイ・レイでも
いいかな~って気がしてきたような~
やっぱ、使いなれてるし~、こ、このままでも、いっかな~。
そうね。やっぱり愛着ある方がいいかもね(ニッコリ)。
(ん?ひょっとして説得された?)
えっと、話を戻して…
さっき「一応」単語の認知過程の研究をしてるって話でしたけど?
ん~、他の先生方もそうですけど、
関心があって取り組んでいる研究テーマは
他にもいろいろあるんですよ。
不思議現象についての態度や、
最近の大学生に不足しているのではと考えている
「上を目指して努力を重ねる力」についての研究、
大学生活の充実や記憶のメカニズムなどにも興味があるし、
手が広がってる一方です。
最近は方法論のミクスチュアに興味があります。
若い頃は、研究手法は実験一本槍、という感じだったのですが、
評定法の調査や自由記述、新聞記事のデータ(コーパス)や
教科書の目次など、目的に合わせていろんなデータや
その収集方法を組み合わせていけたらな、と考えています。
うわ~、いろんな包丁が
すっごく揃っている感じですね!
あの研究素材は、これでシュパ!って切る、
そしたら、旨味がジュワ~、みたいなのを想像しちゃう。
メイ・レイちゃん、食べ物を使った比喩はピカイチだね…。
コンコン、ガチャ。【院生Bが入ってくる】
「先生~、この分析がどうも分からなくって…
少し見てもらえませんか?」
お~、例の研究だね。
ごめん、ちょっと待って、
今すでに一人、質問に来て待っているから…
あとで連絡します。
【院生B】「ありがとうございます。お願いします!」
めちゃめちゃ学生さんが質問に来ますね~。
うちの大学院は、大学(学部)を含めて、
先生に質問したり相談したり、
とても話しやすい雰囲気があるからね。
聞きたいことを聞ける。シンプルだけど、
それって、学ぶ上で、すごいメリットですよね。
あ、もう結構、時間が経っちゃいました。
最後に、川上先生が思う、樟蔭の臨床心理学専攻の
「ここが良いところ!」ってのを、教えてください!
そうだな……臨床を学ぶ、っていうのは、
ある意味でとてもハードなことだと思うんですよ。
でも、うちの大学院は、
必ず「先」につながる「しんどい思い」をしてもらえる大学院、
だと思っています。
しんどいけど楽しい、って思ってもらえたら最高ですね。
成長の糧になる学びがある、ってことですよね。
川上先生、どうもありがとうございました!
はい、お疲れさまでした!
今日は実際に、川上先生の研究室を訪問してみましたが、
先生や学生さんたちの雰囲気が、インタビューの時間を通じて、とっても伝わってきました。
樟蔭は、オフの時にはアットホームなのに、学ぶ上ではとっても真剣で、
川上先生も「ちゃんと学問的に使えること」を念頭に、いろんな技術と知識を装備して駆使する
マッキントッシュ的スペシャルな先生でした!
本当に、バラエティ豊かに、色んな先生がいるんだな~。すごいぞ、樟蔭!