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樟蔭レポート

リオ・オリンピックに高校野球、例年にない猛暑の中の熱いスポーツ大会も幕を下ろし、そろそろ秋の気配が待ち遠しくなってきました。それにしても暑い。私は寒いだの、暑いだのと、あまり口にしないほうだと思っているのですが、今年ばかりは別です。都会の里山では、ヒグラシやツクツクボウシの声をまだ耳にしません。

さて、この夏、久しぶりにワンゲルクラブの夏合宿に同行させてもらいました。今日は、その話題から。北アルプス唐松岳(2696m)の頂上を目指しての山旅です。ふもとの白馬村八方駅(773m)から八方尾根をゴンドラとリフトを乗り継ぎ、一気に1830mまで登ります。標高差1000m以上。ここまではだれでも行くことのできる世界。ここから八方池(2060m)まで約1時間。木道なども整備されており、ハイキング用の靴と雨具、ザックなどそれなりの装備は必要ですが、それさえあれば、楽しく歩ける世界。登山道として意識しなければならないのは、ここから先の標高差約700m、2時間~3時間のコースです。初心者向けの登山ルートですが、油断は禁物。滑落の危険性もゼロではありません。標高をあげるにつれて、八方池を眼下に見下ろし、白馬三山を横に見やり、やがて行く手には、五竜岳や鹿島槍ヶ岳を望みながら登行できる私の好きなコースのひとつです。山頂からは立山連峰や剱岳を遠望することもできます。晴れていれば……。

しかし、今回はゴンドラを降りた時点で、はやポツリ、ポツリ。「雨のち晴れ」の予報を信じ、カッパを着込み、ザックにカバーをかけて、雨中登山となってしまいました。まったく、よく降られました。風がなかったのは幸いでしたが、視界もあまりききません。黙々と、ときにはブツブツと言いながら、ひたすら登る、登る。山頂で雨が止むことを信じて。「山登り」を標榜するクラブ活動でなければ、体験できない貴重なものとなりました。昼には何とか山頂小屋にたどり着きましたが、やはり視界はゼロ。濡れた服や靴下を替え、昼食を済ませ、下山にかかる頃、ようやく雨が小降りになるという散々なものになりました。このまま何もなければ……。

でも、自然とはよくしたもので、下山するにしたがって、雨はほとんど上がりました。天気予報は裏切りませんでした。そして、ついに、私たちに素敵な出会いが待っていたのです。ライチョウの登場です。「雨の日にはライチョウに出会えるよ」山の人間が、よく口にする言葉です。実際、私自身は何度か見かけていますが、いずれも雨模様の日でした。自然は裏切りません。今回も、雨に打たれた私たちを慰めるように、姿を見せてくれたではありませんか。それとともに、視界もどんどん開けてきました。ずぶ濡れだったカッパもすっかり乾きました。八方池まで下山してきた頃には、雨が嘘だったような青空が待っていました。

毎年のように続く異常気象。考えてみれば、これはやはり自然の私たちへの警鐘以外、何ものでもありません。こんな暑い夏を、恒常的なものにしてはいけないと改めて思った夏の終わりでした。(中3担当 松尾隆之)20160823022016082301