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樟蔭レポート

ほうれん草のおひたしや炒め物を食べているとき“ジャリッ”と砂粒のようなものをかみ砕いていしまった経験はありませんか。

“関東のもんやったら、ほうれん草食べてジャリッとはならへんで”

と聞いたことがあります。(事実かどうかは調べてません)

ある日、群馬県産のほうれん草を調理するために洗おうとすると、ほうれん草自体や袋に砂粒のようなものがたくさんついているのがわかりました。これを顕微鏡で見ると、「紫蘇輝石」という鉱物がたくさんあることがわかりました。「紫蘇輝石は比較的重い鉱物なので、洗っている過程で重いからすぐに水に流されてしまい、その結果、ジャリッとこないのだろう。関西のは雲母や石英などの軽い鉱物が主になり、軽くて流れにくいから残ってしまってジャリッとくることになる。」とあまりよく考えずなんとなく理解した気分でいました。

さて、この2学期の火山の授業の前に、大阪に飛来する火山灰のことを考えていました。(このレポートの見出し写真は、大阪の地層中のアズキ火山灰の顕微鏡画像です)そんなある日、やはり調理するため土ごぼうを洗おうとして、ふと気になりました。“このごぼう、宮崎県産やから、ひょっとしてアレがあったりあったりして”ということで顕微鏡で観察してみると、ずばり的中、火山ガラスがたくさんありました。土は、その土地の地層や岩を反映します。火山ガラスはガラスが割れたときのような形をしたマグマの破片です。巨大カルデラ噴火という、それはそれは想像を絶する巨大な噴火で、九州の半分以上の面積を数時間で覆い尽くして焼き尽くしてしまうような火砕流を伴います。このような巨大な噴火の際に吹き上げられた火山灰が大阪の地下にも堆積しています。九州から飛来した火山灰が地層中で数十cmの厚みがあるのですから、どれだけ恐ろしい噴火であることか。人類は文字などに記録を残すことができる時代になってから、この巨大な噴火には遭遇したことがありません。

大阪府箕面市小野原西で見られたアズキ火山灰層露頭(造成された結果、今はなくなっている)

さて、この宮崎県産ごぼうの土に始まって、いろいろな地方の農作物についてくる土の観察をしました。

同じく巨大火砕流に覆われた鹿児島県産や北海道産ごぼうの土には大量の火山ガラス、奈良県宇陀産ほうれん草の土にはガーネット、山口県産れんこんの土には石灰岩、滋賀県大津市産かぶらの土には貝殻片など、これほどきちんと反映するものなのかと、驚きとともにおもしろさを味わいました。

鹿児島県産ごぼうの土(大阪の地層中のアズキ火山灰=このレポートの見出し写真と同じような火山ガラス)

北海道産ごぼうの土(軽石は、巨大カルデラ噴火ではなく樽前山の噴火によるものでしょう)

茨城県産ごぼうの土中の高温石英(透明感がすばらしく結晶の形も美しいので見とれてしまいます)

地学科,2年冬組担任,フィールドクラブ・書道部顧問:大久保雅弘