目標や目的を達成するには
2017年10月18日
朝晩、めっきり涼しくなってきました。まさに季節は秋。このたよりを書いている今、窓の外を見ると雨が降り続いています。一雨ごとに冬が近づいているのでしょうか?
前回のこの学長だよりでも記したように、現代の世の中は様々な情報があふれています。情報の洪水に溺れないようにするには、考えに考えて、時には悩み苦しむこともあるけれども、考え抜いて判断し行動していく、つまりまずは考える姿勢が大事だと伝えました。考えることはひとりひとりのみならず、グループ、団体、もっと広く捉えれば、会社(企業)や国家にも必要とされることです。個人であれば、ある程度、各々の時間ペースで考え行動していくことができるでしょうが、団体(たとえ、小さなクラブやサークルでも)や企業であれば、悠長にことを構えていられず、今のご時世、様々な情報を基本にいかに皆が早く行動をしていくかが重要となります。
仲良しクラブならいざ知らず、団体やグループで行動するには、共通の目標・目的があるはずです。企業や国家も同様、大学にもあります。組織としてそれぞれ世の中に存在するわけですから、そこに流れている情報を知り目標や目的を達成できるよう行動する必要があります。その情報というのは、環境の変化と置き換えることができるでしょう。この環境の変化をひとりひとりが意識して行動していく、この行動の積み重ねがその組織の文化を作り上げていくことにつながると思います。そのためには、メンバーひとりひとりが環境の変化をキャッチし、それに対して考え判断し、行動する力が求められます。
ただ、ここで気をつけねばならないことは、情報の真偽、そして真実なら組織としてその情報の必要性の有無の判断です。正しい判断をするためには、常日頃から目標や目的を意識しておかねばなりません。その目標や目的をいつ達成するのかは、ケースバイケースです。短期間であれば皆、共有できることは比較的簡単ですが、長期間に渡るものでは、将来のあるべき姿、そしてそこに行きつくまでの図案や設計図が必要となります。前者はビジョンとも言えるでしょう。未来像、未来図と言ってもよいでしょう。後者はグランドデザイン、全体構想と言い換えてもよいでしょう。このビジョンやグランドデザインを組織に属する皆が共有、理解していれば、正しい判断を下し行動していくことができます。そういう組織が強いのです。
今回は、少々堅苦しい話となりましたが、ご容赦ください。樟蔭学園は今年、創立100周年を迎えました。この10月28日に記念式典を行います。大阪樟蔭女子大学としても将来あるべき姿を想定して、グランドデザインを提示しました。「美(知性・情操・品性)を通して社会に貢献する~美 Beautiful 2030~」(http://www.osaka-shoin.ac.jp/univ/beautiful)です。これまでの学園の歴史をしっかりと認識し理解した上で、大学の進むべき道を定めていきます。世の中の情報、環境の変化を踏まえつつ、変えてはいけないものと変えるべきところの判断をするために、より具体的なデザインをこれから作り上げていきたいと思います。これからも皆様のご支援とご理解を得られるよう努めていきます。
北尾 悟