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想像・発想する意識を持とう!

2019年4月25日

 いつの間にか葉桜の時期となり、ハナミズキの花が咲き誇るようになってきました。4月に入学された新入生もキャンパスライフに慣れてきたところでしょうか?来週から大学の暦では8連休となりますが、気持ちをリフレッシュして5月以降、自分の希望の花を咲かせることができるよう、自分自身を少しでも高める生活を送ってもらいたいものです。

 今年2月、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「はやぶさ2」が、地球から約3億キロメートル離れた小惑星「りゅうぐう」の半径わずか3メートルの場所に見事着陸に成功しました。また、地表に弾丸を打ち込んだ信号も確認したというニュースも飛び込んできました。弾丸を打ち込んだ目的は、衝撃により生命の元となる有機物や水分を含む岩石を採取し解析することにより、地球の成り立ち、そして、地球の生命はどこからきたのか、という人類の根源的な問いに答えを見つけようとするものです。

 高度な技術を駆使して繊細な作業を行うことに対して、当初、JAXAでは自動制御システムを通して、探査機自身が自律的に判断し態勢を整えていくことを考えていました。3億キロメートル離れたところから半径3メートルの着陸しやすい平地を探し、弾丸を打ち込み発生した衝撃散乱物を回収するミッションを達成するには、当然のことながら、AIならびにロボット技術を用いシステム自らを制御することを前提とした自動作業を行う計画だったそうです。
 ところが、途中から「人」が探査機の姿勢までこと細かく定める方法に変えたそうです。舞台裏の詳細は分かりませんが、やはり「人」の能力の方を選択したということになります。細かい角度や距離感、そして何より想定外の事象に出くわした際の対処方法など、いくらAI技術やロボット工学が進展しても、現時点では「人」の方が優れているとJAXAの「人」たちは判断しました。
 このことは、今後、AIロボットをはじめ自動化システムを導入の際には、人の「想像力」ならびに「発想力」が試されることを意味していると思います。想定外の事象、例えば危ない動作を始めたら、その動作を安全に止める工夫が必要です。こうした工夫や想像に思いを巡らすことが大事です。現時点ではAIロボットより「人」の方が優れているということです。いや、現時点ではなくこれからも「人」が優位ではならないことを示唆していると思います。人にはより論理的な思考が求められ、深く考えることの大切さを示していると感じます。あくまで、「人」が『主』で、「機械」が『従』であることを維持していくためには、人自身もさらに想像力を鍛え、新たな発想力も高めていかねばならないということです。

 では、「想像力」「発想力」をどう身に付けていけば良いのか?1つ例示してみたいと思います。それは、ブレーンストーミングの考案者であるアレックス・F・オズボーン氏が作成したチェックリスト型発想法です。

1.転用(put to other uses):何かに置き換えてみたら?他の方法はないか?

2.応用(adapt):別の仕組みを応用/適用してみたら?他からのアイデアは?

3.変更(modify):変形/修正してみたら?

4.拡大(magnify):足し算や拡げてみたら?

5.縮小(minify):引き算や排除してみたら?

6.代用(substitute):ほかのものを代用してみたら?

7.置換(rearrange):再調整してみたら?入れ替えてみたら?

8.逆転(reverse):反対からみたら?逆にしてみたら?

9.結合(combine):組み合わせてみたら?

 こういう質問を自身に投げかけることで想像力、発想力を高め、新しいアイデアが生まれるよう意識づけていくのはいかがでしょうか?もちろん、行動を伴うことが求められますが、まずは意識をすることから始めてみませんか?

20190425hanamizuki.jpg ハナミズキの花言葉の1つに「逆境にも耐える愛」があるそうです。遠い宇宙空間で様々な困難に懸命に立ち向かう「はやぶさ2」にJAXAをはじめ多くの人たちが愛情を持って見守っています。ミッションを遂行し、2020年末に無事地球に戻ってくることを願って、夜空を眺めてみたいと思います。一青窈さんの「ハナミズキ」を口ずさみながら。。。『君と好きな人が百年続きますように』 ~「永続性」もハナミズキの花言葉です~

北尾 悟

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