講座では、まず目に残る“記憶”、補色残効と呼ばれる現象を体験していただきました。続いて記憶の課題2種を実施しました。
第1の課題は、DRMパラダイムと呼ばれる形式の記憶課題であり、順次呈示される複数の単語からなるリストを記憶し、それを思い出すことを3回繰り返し、あらためて呈示された単語についてのあったかなかったかの判断を求めました。
第2の課題は長期記憶(頭の中の記憶)を検索する課題であり、日本語の中で「七」あるいは「八」が付く言葉(たとえば「七福神」)を想起することを求めました。
こうした具体的な体験を元に、心理学、特に認知心理学の領域で問題とされる、虚記憶(実際には呈示されていない単語があたかもあったかのように再認される現象)、マジカルナンバー7±2、記憶の体制化、意味記憶ネットワークなどの概念について紹介しました。
そして、こうした心理学的な知見を踏まえて、日常生活での記憶のコツについて、「(1)5つ程度にまとめること。(2)階層構造を意識すること。(3)連想し、意味を見つけ、作り出すこと。(4)そして最終的には“外部記憶”に頼ること。」の、4つのアドバイスをさせていただきました。
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