2012年のNHK大河ドラマ『平清盛』が“父と息子の物語”と位置づけられる ことから、二人の講師に史学と心理学の観点に立ってお話して頂きました。
まず講師の白川准教授が、清盛と同時代を生きた藤原頼長と鴨長明の それぞれの父親との関係について、頼長の日記『台記』と『保元物語』、 長明の和歌と同僚源家長の日記をもとに考察されました。 そして、そこに普遍的な父と息子との情愛が確認されることや、当時の社会に おける家の継承の意味するところについて述べていただきました。
続いて坂田准教授は、大河ドラマ『平清盛』」に描かれている父子関係に、 今の日本における父子関係が無意識的に映し出されているという前提に 立ち、ドラマ『平清盛』を読み解く中で、今の子にとっての「父」の意味を 考察されました。 そして、“今の子は父を無視しているようでいて、実は父のようになろうという 欲望を抱いている”という仮説が浮かび上がってくることを語っていただきました。
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