子どもの体力低下傾向はここ数年下げ止まったとはいえ、依然低いレベルにとどまっており、非常に憂慮すべき問題であることにかわりはない。一般に「体力」というと、文字どおり身体面の行動能力と狭い意味でしか考えられていないが、これからは思考力、判断力、意欲、意思力、忍耐力などの精神的な要素も含んだ広い意味で考えていく必要がある。そう考えると、学力低下の問題、感情コントロールの未熟さ(キレやすさ)、生活習慣の乱れ、意欲とがんばりのなさといった子どもを巡る問題も1つのラインで繋がってくる。ではどのように子どもの体力を育んでいくのか?何かポイントのようなものがあるのか? まず、第一に教師や親、大人の目線ではなく、子どもにとっての運動・スポーツの意味を大切にするということである。子どもにとって“運動・スポーツは楽しいもの”であるべきで、楽しいからこそ、興味が持てもっとやりたいと思う。「これちょっとおもしろいかも」「やってみよう」という気持ちを刺激する仕掛け・工夫が重要。楽しみの結果としてのもっと、もっと・・・という連鎖が自然に体力の向上に繋がっていく。いやいや“やらされる運動”では体力向上は困難だと理解する必要がある。
|