エルメスは、1837年にパリで馬具製造業として創業した。
貴族や上流階級の人々を顧客とし、その腕の良さで名声を得たエルメスは、馬車から自動車へ、という時代の流れの中で、馬具から旅行用のアイテムを作るブラ
ンドとして発展した。エルメスの顧客である貴族や上流階級の人々は、時代の流れのトレンドをまず最初に感じ取り、新しいことにどんどん挑戦していく。こう
したニーズに答えて、エルメスは革新的なことをその都度おこない、その時代時代に受け入れられてきた。
現在では14のアイテムを扱うブランドとなっている。
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エ
ルメスの基本は職人、物作りである。通常のブランドビジネスでは、まずロゴありきであるが、エルメスではまず職人ありきである。職人が自分自身納得しなけ
れば、その作品は世には出さないというのがエルメスの物作りの基本である。さらに職人が昔の伝統の技術を守ろうとすると、どうしても保守的になりがちであ
るが、エルメスでは、職人を世界各地に送り、新しい体験を通して伝統的でありながら、革新的な物作りを可能としている。またエルメスのもう一つの特徴は、
家族が中心となった企業であるという点であり、家業を次世代に送り届ける、という長期的なビジョンがある。こうしたことからエルメスはライフスタイルその
ものに関与しているブランドであると言える。 |