
カナダ連邦政府父親支援プロジェクト責任者
ティム・パケット氏「子どもと、家族と、地域を楽しむ、カナダの父親たち」
現在二児の父親でもあるティムパケット氏から、カナダ連邦政府父親プロジェクトのコーディネーターを務め、父親支援に長年携わってこられた活動実践の報告、そしてそれらから導き出された様々な理論についてデータを交えながら分かりやすく展開された。
カナダの現状としては、共働き率が1976年から2005年の間に39%から69%へと増加したことにより、1970年代には父親の子育てにかける時間が母親の40%と半分以下であったものが1990年代になると67%に増加し、共に働き一緒に子育てをするというスタイルへと大きく変化した。この父親の子育て参加は、子どもに健全な乳幼児の発達を促すだけではなく、父親自身へも良い影響をもたらす相互の関係にあるという。パケット氏のプロジェクトは、子どもにとっての健全な心身の育成には何が必要でベストなのか、ということを実践しながら検討することである。カナダの父親たちはこのプロジェクトを通して積極的に子育てに参加し活発に活動している。父親の子育て参加で必要な側面として、子どもと関わる父親、世話をする父親、愛情豊かな父親、責任ある父親、生活の糧などの提供者、感動とやる気を与えてくれる父親という6つの側面が偏りなく、バランス良く保たれることが重要であり、子育て参加に『遅すぎることは絶対ない』と強調された。また、父親と母親では役割が違う。この区別を明確にした上で子育て方針をたてることが重要であり、父親が子育てに参加することによって、子どもだけでなく家族や地域へも良い影響をもたらすことができると提言された。
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