「動物の子育てから見る人間の子育て」
基調講演では子育ての基礎理解という観点から、旭山動物園園長の坂東様をお招きし、動物の子育てを通して見た人間の子育てや子育て支援についてお話をいただきます。日本の動物園で一般的な、動物の姿形を見せることに主眼を置いた「形態展示」ではなく、動物の生態系を生かした行動や生活を見せる「行動展示」を導入された実績、そこから見えてくる動物本来の子育ての姿、子どもへの接し方などを紹介いただき、私たちが忘れていた本来あるべき子育てとは何か、今必要なことは何かを、多くの皆様とともに考えたいと思います。
基調講演[講師プロフィール]
1961年北海道旭川市生まれ、1986年に酪農学園大学酪農学部獣医学修士課程を卒業、同年5月から旭川市旭山動物園に勤務、2004年から副園長を務め2009年4月から定年退職の小菅正夫さんに代わって園長を務められています。旭山動物園は日本最北の動物園で、一時は閉鎖の危機に直面したものの動物の生活をありのまま見せる「行動展示」で注目を集め、今では東京の上野動物園と入園者で肩を並べるほどの人気動物園になりました。行動展示は坂東さんが生み出しました。坂東さんは1997年の「こども牧場」から「ちんぱんじー館」「レッサーパンダ舎」「オオカミの森」まで施設のデザインを担当、数々のアイデアを出し具体化されました。また手書きの情報発信やもぐもぐタイムなどのソフト面でも係の中心となり具体化、システム化を図られました。現在は、エゾシカの森、テナガザル舎の設計など手がけておられます。動物たちが本当に生き生きと過ごせる空間で生きて欲しいという動物への想いと、どうしたら人が本当に動物園でゆったり満足してもらえるかという両方の視点を大切にした動物園創りを目指されています。著書に『夢の動物園 旭山動物園の明日』『動物と向きあって生きる』などがあります。
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