公開講演会「子どもを体力低下から救うには?」

赤松教授

 子どもの体力低下傾向はここ数年下げ止まったとはいえ、依然低いレベルにとどまっています。一般に「体力」というと、文字どおり身体面の行動能力と狭い意味でしか考えられませんが、これからは思考力、判断力、意欲、意志力、忍耐力などの精神的な要素も含んだ広い意味で考えていく必要があります。そう考えると、学力低下の問題、感情コントロールの未熟さ(キレやすさ)、生活習慣の乱れ、意欲とがんばりのなさといった子どもを巡る問題も1つのラインで繋がってきます。


 どのように子どもの体力を育んでいくのか、何がポイントなのかについて、第1に教師や親、大人の目線ではなく、子どもにとっての運動・スポーツの意味を大切にするということ、第2にスポーツ活動において他者との関わりを大切にすることが挙げられました。

 概ねスポーツ活動は活動仲間を必要とし、人と人との生きた関わりを通して、活動はより豊かなものになります。ルール遵守やチームワークといった社会・集団生活に必要な態度・スキルを身につけるという意味でも子どもにとっては意味深いものであるとともに、多様でありながらも、受容的で暖かい人間関係をスポーツで体験することによって、楽しさが増し、活動に拍車がかかるというメリットもあります。体力向上はその結果として自ずとついてくると考えられます。

戻る




リンク

Copyright (C) SHOIN GAKUEN. All rights reserved.