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樟蔭BLOG

ブログ

2023.12.05

学びの多様性

樟蔭レポート

昨年の今頃、当時文科省の発表した「問題行動・不登校調査」に関する結果と分析が、各マスコミで大きく取り上げられた。そして、その原因の大きな要因を、「コロナ禍による行動制限」から起きる「人間関係や生活環境の変化」に求めようとする風潮に対し、それを全否定はしないものの、それは一つの契機でしかないのではないかと、指摘した。

しかしながら、先日も、同様の分析がマスコミで報じられているのを眼にした。一つの仮説を立て、その仮説が正しいものかどうかを追究するところに学問が成立するにしても、どこか目の前で苦しんでいる生徒が置き去りにされている気がしてしまう。

その後、各都道府県の教育行政による不登校生への様々な取り組みを耳にする機会が増えた気がするのは、喜ばしい。そのような状況の中、一つ気になるワードがある。それは「学びの多様性」という言葉だ。

何とも耳に響きのよい言葉だが、私などは小さい頃、「学校で学ぶ意義は、社会性の獲得にある」と言われ続け、また、「多様な学びのあり方」として、学校に行かないことへの選択に対する不安を語られる保護者も、少なからずいらっしゃる。

では、「お前の提示できる答えは何か。」と問われても、「ごめんなさい。ありません。」としか言えない。ただ、時間の許す限り、生徒のみんなが語ってくれる言葉に耳を傾けることは、出来る気がするのだが。

CSクラス主任 廣畑 尚