聞くところによると、今年の夏の暑さは、何十年や何百年ぶりではなく、何万年ぶりのものだとか。恐るべき話である。そんな暑さの中、クラブ活動に参加するついででもなく、在籍クラスでの授業に参加できなかった分の遅れを取り戻すべく、我がCS教室に通って来ている生徒たちがいる。

彼女たちが、在籍クラスで生活できない理由は様々だ。「人づきあいが苦手だから。」という人も少なくはないが、事は左様に単純ではない。屈託なく、明るく教室に響き渡る健全な話し声ですら、しんどく感じられてしまう人だっていることを、どれほどの人が知っているだろう。

しかし、時の流れは、人間が無自覚に一ところにたゆたうこと許しはしない。特に高校3年生の人たちが、人生の新たなステージを前にして、一生懸命自己と向き合おうとしているけなげな姿が、愛おしい。そんな夏が、今年もやってきた。

CSクラス　廣畑　尚