本取組の目的は、家庭内にあっては、妊娠の段階から母親と父親がともに出産・子育てに参加すること、また地域にあっては、行政だけでなく父親が中心になって様々な大人が子どもに関心を持ち、「地域の子どもは地域が育む協創型社会」を創生することです。そのためには、まず、男女共同参画の理念を家庭に浸透させることが重要になります。
父親の子育て参加を促進させることは、母親の孤立感、育児不安や育児ストレスを低減させx、その結果、子どもの情動発達・社会性・人間関係力の健全な成長を促し、これからの社会の担い手を育てることができます。
また、現在の子育て支援活動では、両親教室、保育所や幼稚園・小学校でのPTA活動や自治会の子ども会活動といった諸活動が地域コミュニティーの大きな位置を占めています。この地域コミュニティーにも、要になる父親の参加を促進することが重要であり、企業における父親の子育てに関する理解と就労環境の改善が必要になってきます。
本取組の教育プログラムでは、学生がこれら諸活動に父親の参加を促すプロジェクトを企画・立案・実施し、これが、地域活性化の重要な契機になり、地域の子育て力の増強を促すことになると考えます。
将来、子育ての直接的な当事者としてこれらの問題に直面することが考えられる女子学生が、本学の教育プログラムを通じ、自らの子育て力を養成することは大変意義があると考えます。
なお、この教育プログラムの実施に際しては、「子ども研究所」(本学の専門的教育資源を地域に還元することを目的として昭和25年に附属幼稚園設立と同時に設置)を母体とする「子育て支援開発センター」(すくすくSCSC: Shoin Child-Care Support Center)が中核を担い、学生・教職員と地域・行政・企業・NPO等が連携して取組を進めていきます。また、地域住民に心理臨床活動を行っている本学のカウンセリングセンターが助言・協力を行います。 |