研究科案内

人間栄養学専攻概要


栄養と食品のプロを育成する人間栄養学専攻

過剰栄養や栄養不均衡による生活習慣病、食物を媒介とする感染症、遺伝子組み換え食品の社会的認知、さらにはストレスによる過食・拒食やダイエットによる栄養欠乏・・・。

現代社会では、従来の学問の枠組みでは解決が難しい問題が多発し、消費者が「食」に不安や不信感を感じる生活を余儀なくされています。こうした状況を背景に、わが国では、栄養学的な側面にとどまらない幅広い視野をもった栄養・食品のプロの育成が大きな課題となっています。

「人間栄養学」という考え方では、人体の構造や生理機能といった身体的側面だけでなく、心理面、精神面、食行動や生活スタイルの変化など、私たちを取り巻く社会環境を含めた人間の総合理解をベースに、「食」と「健康」のあり方、つまりは人間の存在そのものを学際的に追究します。

●昼夜開講制度●
社会人の方でも学びやすいように、
平日の夕方から夜にかけての時間帯と土曜日の授業が中心となっています。

ミッション

人間の身体状況や食行動、栄養状態を総合的に判断して指導することができる高度の専門知識と実践的な能力を身につけることを約束します。医療機関(臨床栄養師)、健康・食品産業(健康・栄養食品アドバイザリースタッフ)、学校(栄養教諭)の現場で活躍する高度専門職業人を育成します。


研究科目一覧
人間栄養学専攻パンフ2023年度版
 

高度な専門性を体系的に身につける独自のカリキュラム

食物科学と医学・保健学を有機的に融合させ、広く総合人間科学の視点を取り入れた独自のカリキュラムを編成。

学部教育との継続性を重視し、4年間で培われた専門性を系統的に向上させる目的で、教育課程を「研究基礎科目」「研究展開科目」「研究実習科目」「研究演習科目(修士論文・課題研究指導)」の4科目群で構成します。

さらに修了後の進路から2つの履修モデルを設定し、実践的な知識・技能を効果的に身につけられるよう配慮しています。


確かな資格をもとに広がる多彩な修了後の進路

「人間栄養学専攻」では栄養管理・指導のプロとして、医療機関や学校、保健・福祉施設、さらには健康・栄養食品アドバイザリースタッフや食品開発のプロとして、食品関連企業や食品行政・流通管理、製薬会社などへの進路に対応。

研究の様子

臨床栄養師

臨床栄養師は、管理栄養士養成課程では埋められない臨床をしっかりと行い、経験を積んだ栄養のプロフェッショナルの即戦力として、活躍が期待されています。

日本健康・栄養システム学会主導の臨床栄養師資格は、人間栄養学に基づいた臨床栄養の知識、技術およびマネジメント能力を習得し、栄養ケア・マネジメントの質の向上に貢献できる能力を持つ者の育成のため、設立されました。

資格取得にはまず100時間の認定講座と時間の臨床研修を受けることが必要です。
その後、認定試験と論文試験を合格したのち得ることができます。

本学大学院は、日本で初めて設立した「臨床栄養師認定講座」指定校です。
資格取得に必要な100時間の認定講座は、本大学院で在学中に指定の科目を受講し,大学院を修了すれば,認定講座の一部の時間数を互換することが可能です。

また臨床研修受託施設での900時間の臨床研修は、本大学院の開講科目「人間栄養実践研究」での“臨床栄養師臨床研修実施細則(※)”に基づいた研修を実施すれば在学中に修了することができ、臨床栄養師認定試験の受験資格を取得することが可能となります。
(※)日本健康・栄養システム学会ホームページより


健康・栄養食品アドバイザリースタッフ

健康・栄養食品アドバイザリースタッフは、多くの健康食品について、正しい情報を消費者に提供し、その有効かつ安全な利用を指導できる専門職です。

近年、国民の健康志向の高まり、健康食品市場の拡大と成長や市場開放も相まって、消費者に食品の安全性や情報が必ずしも適切に伝達されていない傾向にあります。

また、保健機能食品、栄養補助食品、などの言葉も多用され、制度や法律、名称なども刻々と変化している中で、ドラックストア、コンビニ、やインターネット訪問販売等でも、それらの商品が簡単に購入できるようになりました。

そんな中で、その適正な使用を支援するNR(Nutrition Representative)・サプリメントアドバイザー(日本臨床栄養協会)など、専門職資格認定を受けたスタッフの活躍が期待されています。


栄養教諭

栄養教諭とは、栄養に関する専門性と教育に関する資質の両方を併せ持つ教育職員として、その専門性を充分に発揮することを期待されている職種です。

とくに教育現場では、学校給食の管理とともに、児童・生徒が正しい食習慣を身につけるための食教育を教員・家庭・地域等と協力して行っています。
「食育」が注目される今、栄養士・管理栄養士の専門性を活かせる、大変有望な専門職であると言えます。

本学大学院では、栄養教諭一種免許状を有しているものを対象として、専修免許状が取得できる課程を設置しています。

また、一種免許状を有しないものについても、本学健康栄養学科で開設している科目を履修すれば、専修免許状を取得できる場合があります(同時に管理栄養士を有していること)。


くすのき健康栄養センター

地域連携と健康・栄養の教育活動拠点とし、地域の方々に食事相談や食育相談およびライフステージ別の料理教室や健康的な食べ方のセミナーなどを開催。特に近年、様々な栄養情報が錯綜し混乱を招いている傾向があり、正しい健康に関する食の情報発信と、地域住民の方が安心して楽しめる食生活を提案します。

また、本学の学生およびすでに社会人となっている専門家のリカレント教育にも取り組み、栄養士・管理栄養士の活躍の場を広げたいと考えています。さらには、東大阪市を中心とする行政機関、医療関連団体、栄養関連団体、企業並びに近隣大学等とも連携をはかり、地域住民の皆様を中心とした健康増進をめざす産官学連携活動を推進するよう目指しています。