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【臨床心理学専攻】心の相談コロキアム報告

2016年03月24日

~山中康裕先生の講演会を受講して~

 本年度の心の相談コロキアムは、本学大学院臨床心理学専攻附属カウンセリングセンターの小阪キャンパス移転記念として、2月13日に開催されました。精神科医・臨床心理士であり、長年の心理療法を通じてたくさんの子どもの心に関わってこられた、京都大学名誉教授・ヘルメス研究所所長の山中康裕先生を講師にお迎えし、「今どきの子ども」をテーマに講演を行っていただきました。大阪樟蔭女子大学大学院の修士課程1・2回生や研修員も、一般の方々と一緒に受講しました。

 講演では「今どきの子ども」の特徴や、その背景となる「現代の生きづらさ」、そのような子どもたちにどう接していくかという提言、また山中先生自身の“カワ(川)ンセラー”としての活動事例などをお話いただき、「今どきの子ども」について理解を深めることができました。

 山中先生のお話のなかで特に心に残ったのは、“親の思惑と子どものしたいことの違いについて”です。子どもが問題としていることと、大人が問題にすることは、必ずしも同じではなく、例えば「不登校」は、大人の視点からすれば「学校に行かないこと」が問題ですが、子どもからすると「学校に行かないこと」は、自分(の心)を表現する手段でもある、ということをお話いただきました。大人は、子どもに「学校にいかなければならない」と自分たちの意見を押し付けるのではなく、子どもとどうするか一緒に考える必要がある、ということでした。そしてそのように、子どもが何を表現しようとしているのかを考えるのが、臨床心理学の子どもに対するあり方なのだということを学びました。

 短い時間ではありましたが、山中先生のお話を通して、これから臨床現場で関わっていくであろう子どもたちの姿を、垣間見ることができた心地がしています。このコロキアムでの学びを実践に繋げていけるよう、今後もより一層勉学に励みたいと思います。

執筆者;修士1年 M.T.