学校案内

「夏」に思う ~汗を「かく」ということ~

2016年8月19日

 甲子園の高校野球が決勝戦に近づくと、テレビ中継で外野の芝生の上をトンボが舞う姿が見られるようになります。それを見て私は「秋が近い!」と毎年思うのですが、今年はちょっと様子が違います。「暑い!」。連日、リオ・オリンピックの日本選手の活躍に熱くなるのはいいのですが、猛暑日に表される暑いのは勘弁願いたいものです。

 若い時はどちらかと言えば夏は好きな季節だったのですが、50歳を過ぎた頃からは、だんだん敬遠したくなってきました。その理由は「汗をかく」ということです。元々、汗かきの部類に入ると思いますが、最近、更年期障害?なのか、汗をかく度合いが増えているように感じます。しかも汗をかくのが頭や顔など首から上の部分からかき始めます。若いときは首から下の部分からで、表情は爽やか?だったような気がします。拭いても拭いても汗がでてくると、だんだん体力・気力が萎えてきますし、汗臭い匂いを「オヤジ臭」として周りにふりまいているのかな、と気にもなります。

 しかしながら、汗をかくことは人間にとっては重要なことだそうです。人間をはじめとする恒温動物は、外界の温度変化に対応する能力を持っています。恒温動物は食料のエネルギーを代謝して、体内で代謝熱を生み出します。まったく動いていなくても基礎代謝量に伴う熱(基礎代謝熱)が発生しますが、外界の温度が低いときには、自ら生み出す代謝熱により身体が温まり生存ができます。

 一方、外界の温度が高いときには、どうなのか?まさしく今、猛暑の中、どう対応しているのか?恒温動物は基礎代謝熱があるので、体内で発生した熱を放出しなければオーバーヒートして死んでしまいます。この熱の捨て方の一つとして、湿性放熱があります。恒温動物では汗の蒸散に伴って体内の熱を放出することができるのです。つまり、汗のかく量によって調整可能なのです。汗が乾くときに水蒸気となるのですが、その際に潜熱を奪って身体を冷やすことができるのです。人間は1時間に1,500グラムもの大量の汗をかく能力があります。この1,500グラムの汗が気化したとき、約100ワットの熱を捨てることが可能だそうです。だから、ちゃんと水分補給してかいた汗が乾くことによってオーバーヒートを防ぐので、42.195キロメートルのマラソンを駆け抜けることができるのです。

 「汗をかいて乾かさないと身体はクールダウンしない」ということですから、温度だけでなく湿度のコントロールも大事になってきます。最近のエアコンの技術のはすごく進歩しているようで、温度と湿度をちゃんと設定すれば、快適に過ごせるようです。エアコンを使うのは地球環境に負荷をかけている!と思う気持ちがありますが、これに勝る猛暑への対処方法をいろいろと考えてみましたが正直思い浮かびませんでした・・・。でもエアコンのレベルまでしっかり制御できなくても、温度と湿度環境を変化させることは可能だと思います。

 温度と湿度を調節する自分なりの方法をみつけて、クールに夏を乗り切りましょう! リオではまだまだ熱戦が続いています。気持ちは「熱く」、でも頭と身体は「クール」にいきましょう!

北尾 悟

学校案内