学校案内

3点主義

2016年12月2日

 早いもので、もう師走。あと少しで2016年、平成28年が終わろうとしています。毎年、月日が経つのが早く感じていきます。10歳の時の1年は今まで生きてきた年数の10分の1ですが、50歳だと50分の1になります。当たり前ですよね。だから年々1年の割合が小さくなるので、月日が経つのが早く感じるんだと自分勝手に思っています。

 先日、大学食堂で昼食をとっている際に、ある学生から声をかけられました。「先生の"たより"読んだよ!(タメ口で言われるのはつらいが、読んでくれていることは素直にうれしい)自分も文章を書き始めているけど、書きたいことが多すぎて、まとまれへんねん。どうしたらええの?」と。いきなり言われたので返答に窮しましたが、「書きたい項目を箇条書きにして言いたいことのランキングをつけてみたら」とその時は答えました。そうすると学生は「ふーん、わかった」と去って行きました。一瞬のことだったので、こちらもうまく答えられたか心配になったので、しばらく考えてみましたが、学生の質問したことに対して答えていないなあと気づきました。というのは書きたい項目を洗い出し、優先順位、つまりランキングをつけるまでは良しとして、では、そのあとどうするの?あるいはどうまとめて文章を書くの?ということです。

 私が思うに、一つのテーマで文章を書く場合、内容的にせいぜい「3つ」までだと思います。「3」というのは意外とバランスが良いのでは?と最近、思っています。日常生活でも例えば、「大・中・小」や「上・中・下」を使いますよね。また本学園の建学の精神の中に盛り込まれていますが、「知・情・意」という3文字熟語もあります。仕事の場面でも何か問題解決をしなければならないとき「3つの要素」を考える、そして議論を展開する場合に3つの要素のどれか1つをきっかけに考え、別の要素に考えを広げ、最終的にもう1つの要素にたどりつく。そのようにすれば物事の理解が深まり問題解決へと導くことができる、と新入社員のときに会社の上司に言われたのを覚えています。その当時は、その内容をよく理解できずにいたのですが、最近、このことをよく思いだすようになっています。その当時は研究開発の壁にぶつかった際の解決策としての話だったのですが、3つの要素を取りだし、それらを関連づけながら問題解決へ導けということだと理解しています。このことは文章を書く際にも当てはまることだと思います。

 感覚的ですが、三角形をイメージしてください。バランスが良いと思いませんか?2つだと直線的(当たり前か?)で薄っぺらい感じがするし発展的ではないように思えます。逆に4つでは、ちょっと多すぎで焦点が絞れず散漫な感じがします。3つが良いように思えませんか?文章に表す際も3つのポイントをまず頭に浮かべて、そこから関連づけ、場合によっては一つに絞っていけば、論理展開がしやすくなるのではと思います。いかがでしょうか?

 今回は書きたいことが多すぎる学生さんの質問に答えるために、このような文章を書きましたが、書く項目や内容が明らかな場合は、もちろん、関係ないことです。ただ論理展開する際や文章全体の構築を考える際には、この「3点主義」が少しは役に立つのではと思います。

 まあ、でもあまり難しく考えず、不細工な文章でも気にせず(この"学長だより"がそうだと自覚)、「書く」という表現をしてみましょう。頭の中のモヤモヤがスッキリするかもしれませんよ。

 また、しつこく同じ言葉で締めくくります(3回目ですね。もうこれで最後にします)。 トレーニングウエアも栄養ドリンクの準備も要りません。「書く」ことを気楽な気分で始めてみてはいかがでしょうか!?

北尾 悟

学校案内