未来のヒトの姿
2019年9月27日
7月のヤフーニュースに未来(2100年)のヒトの姿が3Dイメージとともに公開されました。
現代社会においてスマートフォン(スマホ)やパソコン(PC)の操作時間が増えることに対して懸念する記事、コメントを目にすることがあります。周りを見渡しても、長時間に渡りPCの前に座り、普段から常にスマホを肌身離さずにいる人が多いのが現状です。
そういう生活を続けていけば、今回提示の3Dイメージは何となく現実味を覚える気がします。PCやスマホを使い続けた結果、全体的に不自然な前屈みの姿勢になると予想しています。人間の身体はある一定の姿勢を保とうとすると、その際に生じるダメージをどこか違う部分で補おうとします。前屈みの姿勢を維持しバランスを保とうとした結果、首の筋肉に負担をかけることになり、やがて筋肉疲労を起こし痛みを生じるようになるそうです。
また、手も絶えずスマホを握っているためか内側に固定され、肘も直角に曲がったままになる姿が示されています。スマホの持ち方は"直角の肘"、いわゆる肘部管症候群を引き起こす、と指摘する専門家もいます。指がチクチクし、しびれ感や痛み、そして脱力感を覚えるようになるそうです。
さらに、議論が分かれるところではありますが、スマホから放射される電波が、癌の発症、記憶力低下、あるいは無線周波数から脳脱を守るために頭蓋骨が肥厚するという指摘もあります。また、座りがちな生活習慣が脳の働きを低下させ、その結果、脳が縮小するということも言われています。
これら様々な条件などを基にして今回提示された3Dイメージがつくられたことになります。これらの条件はすべて裏付けのある科学的なデータに基づいているものではありませんし、いろいろと違う説もあるようです。不安がる気持ちを持つ人もいるでしょうが、現在の人間社会に対する警鐘と捉えておけば良いと思います。
生物の進化はゆっくりで、単細胞から多細胞生物に至るまでは約25億年、魚類・爬虫類から哺乳類までは十数億年かかっています。その後、数億年を経て哺乳類から人類へ変化しました。2100年までたかだか80年で、現在の姿から今回提示の3Dイメージのような変貌を遂げるとは考えにくいと思います。また、スマホなど情報端末の姿も今後変わることも予想され、新たな端末による身体への影響も考えねばならなくなるかもしれません。どのような社会、どのような人間の姿になっているのか、正直予想しづらいと思われます。
物質的な観点から生物の進化を捉えると、遺伝子、つまりDNA構造と発現様式(どのように遺伝子が働くのか)の変化を意味しています。哺乳類の中でもサルからヒトへの変化(進化と言えるか最近疑問に思っているので変化とします)には、もちろん遺伝子の変化が事実としてありますが、それ以上にヒトとして他の哺乳類と大きく違う途を歩み、表向き地球を支配しているゆえんは、「言葉」を持ったからだと考えられます。ヒトは絶えず成長したいという願望が強い生物だと言われています。その願望を満たすためには話すこと、そして聞くことのコミュニケーションが欠かせません。話さない、聞かないではヒトは成長しません。
このコミュニケーション能力を高めるには脳の活性化が必須です。活性化するには脳に多くの血液を流すことが求められます。話したり、聞いたり、見たりするヒトの動作には脳の働きが重要であり、そのためには栄養素や生理活性物質を含む血液の流れが必要とされます。血液の流れを良くするには、心臓ポンプの強化はもちろんのこと、最近注目されている足のふくらはぎも大事だと言われています。足のふくらはぎは「第2の心臓」とも呼ばれています。
この原稿を仕上げるのにPCの前で前屈みになっているご主人をわが愛犬は心配げに見上げています。PC操作で前屈みになり凝り固まった脳の働きを低下させないように、その肉球でふくらはぎを踏んでマッサージしてくれないかなあ・・・・
北尾 悟