学校案内

学芸学部および各学科の教員の養成の目標及び当該目標を達成するための計画

学芸学部

 本学は、「広く一般学科に関する知識を授くるとともに、深く専門の学術技芸を教授研究して知性を磨き女性としての豊かな情操と高き品性とを養成するをもって目的とする(「大阪樟蔭女子大学学則」第1章第1条)」ものである。教員養成課程も、この目的の下に置かれており、特に「深い人間理解に基づいて、児童生徒一人ひとりが生きる指導の創造者としての教員の育成」を中心に置く。すなわち、児童生徒一人ひとりを人間として発見し、その個性的な在りように目を向け、共感的な理解をもって向かい合い、寄り添い、そこに具体的な指導援助の課題を見出し、その課題解決に向けて創造的に行為することの出来る教員の育成こそが、教員養成本来の責任であると考える。

 地球温暖化に象徴される環境問題、人権問題等、21世紀の世界は解決困難な課題に直面している。これらの課題解決に真剣に取り組み、人類の平和と真の意味での繁栄に貢献できる次世代を育成するという教育者としての社会的使命を自覚し、児童生徒の人間的な成長に対する責任を担い得る専門的な知識と堅実な教養に裏づけられた確かな実践的指導力を身につけた教員を養成することこそ本学の目指すところである。そしてそれは、本学の学士課程基幹教育・専門教育・教職教育の総合によって実現できると確信している。

学芸学部 国文学科

中一種免(国語)、 高一種免(国語)、 高一種免(書道)

 国文学科の教育は、日本語・日本文化の学習指導を、「話すこと」「聞くこと」「書くこと」「読むこと」を踏まえて「思考力」「想像力」を育み、授業を「創る」過程を重視して行う。我が国の言語文化への教養と言語感覚を豊かに育成し、あわせて、伝統的な言語文化と風土によって培われた人間性豊かな感性を学生たちに育み、深化・発展させることを目的としている。また、国文学、書道、上方文化研究や創作表現、そして日本語に関する教養と実技によって、広く社会に貢献できる教員としての資質・能力の育成を目指している。

 したがって、本学科の教員養成の特長は、中学・高校の生徒の言語生活を充実させるにとどまることなく、豊かな自己表現力と正しい人間理解力とを持ち、実践的な力量を持った教員を育成することにある。文学作品はもとより、さまざまな言語活動の中に、例えば、一つの書作品の中にさえも、生々しく生きる人間の姿を見出し、それを基に創作へと至るような教養を涵養したい。

 その実現のために本学科は、我が国の言語文化として古典文学、近現代文学、日本語学、および上方文化研究、日本語の表現力を培う創作表現研究、書道研究等の基礎的な学問内容を充実・深化させるために、2年生よりゼミ単位で学修に取り組んでいる。例えば、本学の卒業生である田辺聖子作品の多方面にわたる研究や、学生自身による創作表現活動等を通して、言語や文学による人の心の活動のダイナミックな姿を把握し、その多様な文化的な意味理解に目を向け、社会に貢献できる教員の養成を目的に学修指導を行うものである。 

学芸学部 国際英語学科

中一種免(英語)、 高一種免(英語)

 国際英語学科の教育は、「国際理解に貢献できる高度で実践的な英語運用能力」を身につけ、「自国の言語・文化を世界に向けて発信できる国際的な視野と教養」および「英語に関する深い理解」をもった人材の育成をめざす。

 本学科の教員養成の特長は、英語力の育成を、技術的な面のみで捉えるのではなく、人間の生活現実、特にはその文化的な面に焦点を当て、それとの結びつきにおいて実現できる実践的な力量を持った教師を育成することにある。この言語活動としての英語とその活動主体としての人間との関係への着目という基本姿勢は、英語教師として、今日ますます強く求められるものであると言えよう。

 その実現のために本学科は、基本的な英語運用能力である「読む」「聞く」「書く」「話す」の4技能を、基礎固めから応用力の育成に至るまで段階的にトレーニングを重ね、現実の国際社会において通用する実践的な力量(英語力)の育成に力を入れる。また、外国文化との比較によって日本文化を学ぶなどし、学生の文化的な面に関する視野を深化・拡大させ、その人間的な充実・発展をもめざすとともに、その知見を生かし、広く世界に向けて日本文化を発信できる能力の育成をめざす。

学芸学部 ライフプランニング学科

中一種免(家庭)、 高一種免(家庭)

 ライフプランニング学科の教育は、「現代に生きる女性がその人生において経験するライフ・イベントに主体的に対処していくために必要な知識と技能を養い、家庭と職場の双方において活躍できるバランス感覚の優れた人材の育成」「日々の暮らしを真の意味で豊かにする食に関する先進的な知識と技能を身につけ、食の伝統と文化を理解した上で自らの暮らしに役立て、社会に貢献できる人材の育成」の2点をめざしている。その実現に向けて、「ライフデザインコース」と「フードスタディコース」の2つのコースに分かれ家計や食の分野において、さまざまな活動を適切にマネジメントできる専門的知識と実践につながるスキルを獲得し、それぞれの分野において専門性の高い見識を養う。

 したがって、本学科の教員養成の特長は、「生活者・市民」の視点から家庭科の授業を行うことができる家庭科教員の養成にとどまらず、「職業人」の視点からも、金融、ビジネス、食、地域社会に関する幅広い問題解決能力を基盤としながら、家庭科教育に関連する専門的な知識と技術を修得し、学校現場において実践的活動を担いうる教員を育成できる点にある。

 その実現のために、本学科は家計や食を中心としながら、関連分野の基礎的な研究を深化させたり、体験活動を充実させたりする。例えば、主体的、自律的にライフ・イベントに対処でき、さまざまな活動を適切にマネジメントできる専門的知識とスキルを研究活動によって身に着け、その成果は卒業論文にまとめられる。また、家庭や地域社会、ビジネスの現場におけるフィールドワークを重視し、そのプロセスでICT機器を活用し情報収集能力と分析力を高め、学習成果の可視化に取り組む。

学芸学部 化粧ファッション学科

中一種免(家庭)、 高一種免(家庭)

 化粧ファッション学科の教育は、「幸福な人間生活に資する『よそおいの美』を創出し、調和・共生をもたらすよそおいの行為を実践できる人材の育成」「ファッション・化粧・美容の高度な専門知識・技能の獲得をもとに関連産業を支え、社会教育や学校教育に貢献できる人材の育成」「よそおいに関する豊かな学術的知見と教養を背景に、リーダーシップを発揮して活躍できる人材の育成」をめざしている。

 学科基礎科目、学科基幹科目、学科総合科目を初年次から4年次にかけて体系的に学び、その学びを通してファッション、化粧、美容の連続性と包括性を知り、中でも被服に関する領域では、「服飾の美学と文化」に関する分析力、「ファッション科学」に関する理解力、「ファッションの設計」に関する創造力を醸成する。

 したがって、本学科の教員養成の特長は、単に家庭科の授業を行うことができる家庭科教員の養成にとどまらず、被服に関する問題解決能力を基盤としながら、家庭科教育に関連する専門的な知識と技術を修得し、学校教育の現場において実践的な教育活動を担いうる教員を育成できる点にある。

 その実現のために、本学科は被服材料、被服構成、被服製作、被服衛生及び被服管理に関する科目については、講義や実験・実習のプロセスと結果から科学的理解を深化させる。さらに衣生活を取り巻く課題や日本と世界の衣文化など、被服と人との関わりについて理解を深め、各内容を関連付けて扱うことで、人の一生を時間軸として捉え、幸福な人間生活に資する概念・技術や科学的な視座を修得させる。学修成果は「卒業論文・卒業制作」および「卒業研究発表会」でのプレゼンテーションに基づいて実施する。

児童教育学部 児童教育学科

幼一種免、 小一種免、中一種免(英語)

 児童教育学科の教育は、子どもを様々な角度から見つめることができ、教育、文化、福祉、保健、心理等に関する専門的知識及び技能を兼ね備えた子どもの専門家として、社会に貢献できる人材の育成を目的としている。

 したがって、本学科の教員養成の特長は、幼保ー小ー中15年間の一貫した学びについて深く知ることができるという点にある。

 その実現のために本学科では、子どもの発達に合わせた以下の3つのコースを設けるとともに、いずれも、中心として扱う発達過程の「それまで」や「それから」を合わせて学修できるようにしている。

(1)幼児保育コース
 幼児教育では自発的な遊びにより幼児を豊かに育み、一人ひとりに応じた実践的指導力を磨くとともに、「環境を通して」教育を行うことが求められている。本コースでは、幼稚園実習に参加し、幼稚園教諭・子ども園の保育教諭等をめざす。幼稚園教諭免許に加え、保育士資格、小学校教諭免許も取得することができる。

(2)児童教育コース 
小学校教育では各教科等における「主体的・対話的で深い学び」を通して、それぞれ特有の「見方・考え方」を獲得することが求められている。本コースでは、小学校実習に参加し、英語によるコミュニケーション、SDGs等の今日的な課にも対応できる実践的な力量を有した小学校教諭の育成をめざしている。小学校教諭免許に加え、保育士資格、幼稚園教諭免許も取得することができる。

(3)教科教育コース
本コースでは、中学校実習に参加し、中学校教諭免許(英語)を取得する。本学科がめざすのは、グローバル化が急速に進展する時代に対応でき、英語に関する専門知識と運用能力を身につけ、さらには小学生や幼児に対する英語の指導ができる技能と力量を身に付けた中学校教諭の育成である。そのため多くの学生は小学校教諭免許も合わせて取得する。

健康栄養学部 健康栄養学科 管理栄養士専攻

栄教一種免

 健康栄養学科<管理栄養士専攻>の教育は、健康をキーワードに、医療を中心とした現場で栄養教育や指導ができる管理栄養士の育成をめざしている。

 したがって、本専攻における教員養成の特長は、管理栄養士の資格取得をめざす過程において身につける「食と栄養と衛生管理に関する高度な専門知識」を基盤にしながら、学校全体の食教育のコーディネーターである栄養教諭として、食の指導を一層充実させる指導力が発揮できるようにすることである。

 その実現のために本専攻では、「食」に関する専門知識および指導技術を身につけることを可能にする優れた施設・設備を整えており、その恵まれた環境の下で、学校給食を生きた教材として活用しつつ調和のとれた食事のとり方や調理の在り方、児童・生徒の望ましい食習慣の形成等に寄与する実践的指導力の養成に努めるものである。

健康栄養学部 健康栄養学科 食物栄養専攻

中一種免(家庭)、高一種免(家庭)、栄教二種免

 健康栄養学科<食物栄養専攻>の教育は、食を中心とした正しい健康情報を広く国民に教育指導できる人材の養成をめざしている。

 したがって、本専攻における教員養成の特長は、栄養士の資格取得をめざす過程において身につける「食と栄養と衛生管理に関する専門知識」を基盤にしながら、「家庭科の教員」として衣・食・住に係る指導内容をバランス良く修得することができるようにすることである。また「栄養教諭」として、学校全体の食教育のコーディネーターとしての役割を担う力を養うことである。

 その実現のために本専攻では、とりわけ「食」に関する専門知識および指導技術を身につけることを可能にする優れた施設・設備を整えており、その恵まれた環境の下で、児童・生徒に対する敬意と愛情に基づき、彼らの人間的な成長に寄与することを喜びとする実践的指導力の養成に努めるものである。