研究活動の不正行為対応規則
平成19年4月1日
(目的)
第1条 この規則は、大阪樟蔭女子大学の研究倫理基準を受け、研究活動における不正行為を防止し、適切な対応をするために必要な事項を定めることを目的とする。
(対象とする不正行為)
第2条 対象とする不正行為は、研究成果の作成および報告の過程において、悪意のない誤りおよび意見の相違ならびに当該研究分野の一般的慣行に従ってデータおよび実験記録を取り扱う場合を除き、次に掲げる行為とする。
(1)研究成果の作成または報告の過程において、データ(実験、観測、解析により得られる数値または情報)として実在しないものを使用すること。
(2)研究成果の作成または報告の過程において、実在するデータを改変して使用すること。
(3)研究成果の作成または報告の過程において、先行する他人の研究成果(未発表のものを含む)を他人のものであることを知りながら、それを示さないで使用すること。
(4)前各号に掲げる行為の有無を証明するための資料を破棄、隠匿または散逸させること。
(5)大阪樟蔭女子大学もしくは外部の団体等から交付を受けた研究費について、その使用ルール等を逸脱して、不正に使用すること。
(6)大阪樟蔭女子大学研究倫理委員会(研究計画審査会を含む。以下「委員会」という)の命令に従わず、または委員会の調査を妨害すること。
(7)調査申し立てをした者に対し、職務上の権限を利用して不利益を与えること。
(調査申し立て、相談窓口)
第3条 研究活動における不正行為に関する学内・学外からの調査申し立てや相談を受理する窓口を各学科および事務局に置く。
2 調査申し立て、相談窓口は、各学科の学科長および相談員とし、事務局にあっては、事務部長及び学術振興課を充てる。
(調査申し立て)
第4条 第2条各号の規定に違反する事実があると疑いをもった者は誰であっても、調査申し立て窓口または委員会に対して調査の申し立てをすることができる。
2 学内の研究者は、第2条各号の規定に違反する事実がないこと、または違反する事実を認めるに必要な科学的合理的根拠がないことを知りながら、前項の申し立てをしてはならない。
3 不正行為に関する申立者および協力者に対しては、申し立てや情報提供を理由とする不利益を受けないように十分な配慮を行う。
4 悪意により虚偽の申し立てを行った者については、就業規則および学則等に照らして必要な措置を講ずる。
(予備調査)
第5条 調査申し立て窓口に、調査申し立てがあったときは、速やかにその旨を委員会に報告しなければならない。委員会は、申し立てを受け付けた後、第2条各号の規定に違反する事実につき、申し立て内容の合理性、調査可能性等について予備調査を実施する。予備調査において、調査申立者に対し、不正の根拠の説明または当該規定に違反する証拠の提出を求めることができる。
2 委員会は、前項予備調査の結果を学長に報告するとともに、調査申立者および調査対象である研究者(以下「対象研究者」とする)に通知する。
(本調査)
第6条 委員会は、予備調査の結果に基づき不正行為が存在すると判断した場合、調査を行うため、大阪樟蔭女子大学研究倫理委員会規程第16条に定める、研究倫理特別調査会(以下「調査会」とする)を編成する。
2 調査にあたっては、次の各号に掲げる事項を行うことができる。
(1)関係者からの聴取
(2)関係資料(研究のために収集した資料、情報、データ)等の調査
(3)会計書類(収支伝票や証憑書類、管理口座の通帳)等の調査
(4)その他調査に合理的に必要な事項
3 関係者は、調査会の調査にあたっては、誠実に協力しなければならない。
4 関係者は、調査会から資料の提出を求められた場合には、これに応じなければならない。
5 関係資料の調査にあたっては、調査に必要な資料や機器を保全する必要があると認める場合、または関係資料の隠滅が行われる恐れがある場合には、調査事項に関連する場所の一時閉鎖、または実験・解析等に関する機器・資料等の保全を行うことができる。
6 前項の措置をとる場合には、必要最小限の範囲および期間に止め、事前に対象研究者が所属する学科長の承諾を得なければならない。
7 一時閉鎖した研究室の場所の調査および保全された機器・資料等の調査を行う場合には、学長が指名する教員2名の立会いを必要とする。
(認定と報告等)
第7条 調査会は、不正行為の有無および程度について確認・精査し、書面で裁定する。
2 調査会は、認定を行うにあたっては、対象研究者に書面または口頭による弁明の機会を与えなければならない。
3 調査会は、不正行為の存在が確認された場合は、委員会に報告する。
4 委員会は、調査会の認定した事実に基づき、対象研究者に対し次の各号に掲げる措置をとることができる。
(1)委員会への定期的な報告の義務付け。
(2)委員会による継続的な指導。
(3)研究資金提供機関・関連論文掲載機関・関連教育研究機関等への通知およびこれらの機関との協議。
(4)その他不正行為の排除のために必要な措置。
5 委員会は調査会の認定した事実が次の各号に該当する場合、学長へ報告するものとする。
(1)対象研究者が、懲戒事由等に該当する可能性のある場合。
(2)対象研究者に対して、教育研究活動の停止措置等の要否の判断が必要な場合。
(3)対象研究者に対して、研究費の使用停止・返還措置等の要否の判断が必要な場合。
(4)研究資金提供機関・関連論文掲載機関・関連教育研究機関等への通知およびこれらの機関との協議の内容。
6 認定の概要は、個人情報または知的財産の保護等、不開示に合理的な理由がある部分を除き、原則として公表する。公表事項について対象研究者の意見がある場合には、その意見もあわせて文書により公表する。
7 対象研究者は、委員会の調査結果に異議がある場合、通知を受けた翌日から起算して4週間以内に、委員会に対して書面により異議申し立てを行うことができる。
8 委員会は、不正行為が存在しなかったことが確認された場合は、対象研究者の教育研究活動の正常化および名誉回復のために、必要な措置について学長に報告する。
(措置)
第8条 前条5項および8項の報告を受けた学長は、必要な措置を講ずる。
(補則)
第9条 この規則に定めるものの他、学術研究における研究倫理基準の遵守、および不正行為の排除のために必要な事項は、委員会において別に定めることができる。
(改廃)
第10条 この規則の改廃は、学長が大学協議会の議を経て行うものとする。
附 則
1 本規則は、平成19年 4月 1日から実施する。
2 この改正は、平成19年11月 1日から施行する。