達成度自己評価システムの導入

本システムは、カリキュラムにおける授業科目の位置づけを理解し履修計画を立て、履修後の自己評価を通して新たな目標設定につなげるという「学びの自己点検サイクル」を学生自身に確立させ主体的・積極的な学修姿勢を身につけさせる取組みである。

このシステムにより、教職員は学生の学修状況・学習成果をより精密に把握することができ、面談指導との組み合わせでこれまで以上にきめ細かい指導が可能になることが期待される。さらに、記入されたデータをもとに授業・カリキュラム改善に必要な情報を収集、カリキュラムを充実させるためのPDCAサイクルの確立にも役立てることができる。

学びの自己点検サイクル

取組概要

「履修系統図」と「科目の到達目標」を統合して学生に示し、各科目履修後、到達目標に対して、学生にその達成度を自己評価させる。これまで本学で実施してきた学生面談のやり方に組み込むことで、「学びの自己点検サイクル」を確立し、学生に自らの学びを計画的に組み立ててゆく学修姿勢を身につけさせる効果を狙う。また、学生一人一人の学びの状況を視覚的に把握しやすくすることで、担任・学生担当職員それぞれの担当学生の状況把握が容易になり、教職員がチームとして学修支援にあたることができる。

※各取組の説明は、サイクル記載の番号の内容をご参照ください。

①:“計画”と“振り返り”

学科別に設計された半期ごとの目標設定シートに、目標を定め、計画的に学びます。

自分の夢・目標を確認し、次の半年の計画を立てる。この半年、目標に向けて何をがんばってきたのか、点検・確認する。

②:個別指導

学生一人一人に担当教員がつき、学生に対して適切な履修指導を行います。

面談前に教員が、学生の計画と振り返りをチェックすることで、個別の適切な指導を行います。初年次のキャリア系科目と連動した、四年一貫のキャリア指導を行います。

③:履修系統図の明示

履修系統図を学生に明示し、学生自身が将来の夢・目標を実現するために必要な学問(講義)を、自分で取捨選択することを可能とします。これにより、卒業要件単位を集めるための勉強から、自分にとって必要な学問を取捨選択し、計画的に学修するスタイルへの成長を促します。

④:自己評価

科目ごとに定義された到達目標は、シラバスで明示されるとともに、科目履修後に、学生自身が、自らの理解度を自己点検します。

学ぶポイントが明確化し、学修効果を高めます。自己評価結果は、各教員へ授業改善指標としてフィードバックし、カリキュラムの充実に繋げます。

⑤:“成績評価”と“自己評価結果”を視覚的に確認

蓄積した力は、カリキュラムマップの構成力別に集計を行い、学生に、視覚的に示されます。成績評価と、自己評価結果を並べて表示することで、学生に正しい自己認識を促します。

構成力別に『めやすの単位』を示すことでバランスのとれた履修計画に導きます。

企図する8つの効果

  1. 学生が自ら修得した力を認識しやすくすることで自信を持てるよう促す。
  2. 学生の夢・目標と今の学びの関係性を整理することより学修意欲の向上を促す。
  3. 今の学びが、将来のどのような力につながるかを整理して学生に提示(履修系統図を提示)することにより、学生自身が「学ぶ意義が確認しやすくなる」と共に、「学びの計画が立てやすくなる」。
  4. 学科ごとのキャリア指導方針を確立し、四年間一貫のキャリア指導を充実する。
    (教員ごとの面談指導のばらつきを抑える)
  5. 半期に一度の振り返りの記録を蓄積することにより、充実したキャリア指導につなげる。
  6. 学生自身の理解度自己申告情報に基づく授業改善の情報を収集し、カリキュラムをより充実させるためのPDCAサイクルを確立する。
  7. 学びの状況を見える化することにより、履修相談窓口での適切な履修指導を実現する。
  8. カリキュラム構成を把握しきれていない新任教員でも適切な履修指導が可能な情報を提供することで、学生面談の質を高める。